・サイドレイズで肩が痛くならないコツ
・サイドレイズで肩が痛くなった場合の対処法
男性
サイドレイズで肩が痛くなる方は非常に多いです。
肩関節は球関節といってあらゆる角度で動かすことができる特徴がある一方で、この特徴から正しいフォームで動かさないと怪我をしやすくなる関節でもあります。
まず最初に私の自己紹介すると
という感じで、大手ジムのトレーナーとして活躍し、現在はフリーのパーソナルトレーナーとして活動しています。
この経験からサイドレイズで肩を痛めてしまう方を多く目にしてきました。
私も肩を怪我した経験がありますし、怪我してしまった方のフォーム改善指導も行ってきました。
サイドレイズで肩が痛くなる人には、ある共通するフォームや特徴があることが分かったので、この記事では徹底的にお話していきます。
サイドレイズで肩を痛めないコツや痛めた場合の対処法まで紹介するので、ぜひ最後までご覧ください!
サイドレイズの全てを解説した記事はこちらです。
→サイドレイズの効果的なやり方・フォームや重量をトレーナーが解説
サイドレイズの効果的なやり方・フォームや重量をトレーナーが解説目次
サイドレイズで肩が痛くなる原因
サイドレイズで肩が痛くなる原因として多いのは、肩のインピンジメントを起こすことです。
インピンジメント=衝突という意味で、社会福祉法人の江戸川病院の公式サイトには次のように記載されています。
肩関節を動かす際に、関節付近で他の骨や筋肉との衝突が生じることによって、組織の損傷が起こって痛みが生じる病気です。
肩関節の上の方で骨と骨がぶつかったり、肩関節の中で筋肉などが挟まったりすることで生じることがあります。
サイドレイズ動作でポキポキ、パキパキと音がなったり痛みが生じてしまう方は、このインピンジメントを起こしている可能性が高いです。
もちろん他にも靭帯や腱に炎症を起こしている可能性もあるので、まずは病院に行って診断を受けて判断しなければならないことは言うまでもありません。
では、サイドレイズの肩の痛み=肩のインピンジメントが多いということで、この衝突を引き起こす原因を紹介します。
・肩甲骨を固定して動作している
・小指を上に向けて動作している
・インナーの働きが悪い
・重量が重すぎる
サイドレイズで肩が痛くなる人は、この4つに該当していないか確認してください!
肩甲骨を固定して動作している
サイドレイズで首の僧帽筋上部ではなく、三角筋側部に効かせるためには、肩を下げた状態で腕を持ち上げなければなりません。
肩を下げた状態とは、肩甲骨が固定された状態で、サイドレイズの動作方法を解説した本や動画でも、正しいフォームとして解説されています。
しかし、このフォームは三角筋側部の筋トレとしては効果的ですが、関節の動きとしては非常に危険です。
サイドレイズで肩に痛みを感じる方の多くは、肩甲骨を固定して腕を真横に持ち上げるフォームである可能性が高いです。
本来、肩甲骨を固定した状態で腕を横に持ち上げることは自然ではなく、肩甲骨も動くのが普通です。
これを肩甲上腕リズムと呼び、肩を約45°より上に持ち上げると、肩甲骨と上腕骨が2:1の割合で動きます。
「じゃあ肩甲骨は自然に動いて良いのか!」と思うかもしれませんが、あなたもご存知の通り、肩甲骨が動いて肩が上がってしまうと、僧帽筋に効いてしまいます。
肩のインピンジメントを起こさずに、三角筋側部に効かせる具体的なフォームについては「サイドレイズで肩を痛めないコツ」で解説しています!
小指を上に向けて動作している
次に小指を上に向けて動作している方も多いのではないでしょうか?
これも筋トレ雑誌や動画などで間違って解説されていることが多い印象です。
小指を上に向けながらサイドレイズ動作を行うと、肩関節に無理な動きになり、インピンジメントを起こしやすいです。
実際に何も持たずに、親指を上に向けて腕を持ち上げる場合と、小指を上に向けた場合を比べてみてください。
小指を上に向けた場合は肩が詰まるような感覚があるはずです。
なぜこのフォームが一般的になっているのかというと、三角筋側部の走行は若干斜めで、腕を内旋させて小指を上に向けることで、負荷と筋繊維の走行を合わせられるからです。
ですが、怪我のリスクが高いので絶対に行わないようにしましょう!
小指を上に向けずに負荷と筋繊維の走行を合わせる方法も「サイドレイズで肩を痛めないコツ」で解説しています!
インナーの働きが悪い
肩関節はインナーマッスルによって支えられて、なめらかな動きを実現しています。
正常な肩はインナーとアウターがバランスよく働きます。
しかしサイドレイズで痛みが生じる方は、フォームが悪いこと以外にもインナーの動きが悪いことが原因になっている可能性があります。
筋トレでは腕を内側に捻った内旋動作が多く、一方で外側に捻った外旋動作が少ない特徴があります。
なので、外旋して肩関節を動かすようなインナーマッスルのトレーニングを補助として行うことが効果的です。
重量が重すぎる
基本的なフォームができていない段階で、無理な重量を扱ってサイドレイズを行うと関節に強い負担をかけてしまいます。
そもそもサイドレイズは重量を使えるような種目ではなく、何十キロものダンベルは必要ありません。
正しいフォームで丁寧に動作を繰り返せば、かなり身体の出来ている方でも10キロ以下の重さで効かせるはずです。
サイドレイズで肩を痛めないコツ
サイドレイズで肩を痛めないコツをいくつか紹介します!
この紹介するコツを意識してサイドレイズを行えば、肩を痛めないだけでなく、三角筋側部に的確に効かせられるようになります!
・身体をやや倒して動作する
・肩甲骨面上で動作する
・やや親指を上にして動作する
・無理に上げすぎない
身体をやや倒して動作する
痛みの原因で三角筋側部の筋繊維走行は若干傾いていると解説しました。
なので真っ直ぐに立った状態では負荷と走行がズレて上手く効きません。
そこで、小指を上に向ける方法ではなく、身体をやや倒して動作を行います。
つま先重心で、股関節から少しだけ上半身を倒します。
こうすることで走行と負荷が合わさり、肩を痛めることなく負荷を乗せることができます!
もし上半身を倒した状態の維持がキツい場合は、若干斜めに倒したベンチに身体を預けて行いましょう!
しかし、この方法だけではまだ関節に負荷がかかってしまうので、次のコツも大切です!
肩甲骨面上で動作する
身体をやや倒したら、真横ではなくやや斜め前にダンベルを持ち上げるようにします。
肩甲骨は身体に対してまっすぐ付着しているのではなく、若干斜めに付着しています。
この肩甲骨の向きに合わせて腕を上げることで、肩関節と肩甲骨がスムーズに動くようになります。
具体的には30度ほど前方に上げると良いでしょう。
身体をやや倒すことと、肩甲骨面上での動作を行えば、かなり肩の痛みを感じられずにサイドレイズを行えるはずです。
もし、これでも肩に痛みを感じるのであれば、次のコツも取り入れましょう!
やや親指を上にして動作する
サイドレイズの動作では、小指ではなく親指を上に向けた方が動作しやすいと解説しました。
しかし、完全に親指を上に向けてしまうと、三角筋側部ではなく前部に効いてしまいます。
なので、肩の負担を減らしながら三角筋側部に効かせるために、やや親指を上にして動作しましょう。
手の甲を上ではなく、ほんの少しだけ外旋させて親指側が上を向くようにします。
少しだけでもかなり肩の負担が楽になることを感じるはずです!
無理に上げすぎない
最後に特に重要なコツは、無理に上げすぎないことです。
確かに大きく持ち上げた方が三角筋側部の収縮感は強く感じるかもしれませんが、肩のインピンジメントを起こす可能性が高くなります。
両手が地面と並行になるまで持ち上げれば十分収縮させられるので、それ以上持ち上げる必要はありません。
重量が軽くても重くても無理に上げすぎることなく、同じ動作範囲で繰り返しましょう!
サイドレイズで肩が痛い場合の対処法
サイドレイズで肩が痛い場合の対処法は次の通りです。
・病院
・安静
・サイドレイズを辞めるのもあり
肩に少しでも違和感や痛みがある場合は、すぐに病院に行くことをおすすめします!
これは私自身に言い聞かせているようなものですが、きっと多少の痛みがあっても無理して続けてしまう方が多いと思います。
なので、まずは病院に行ってレントゲンやMRIを撮って、何が原因で痛みが生じているのかを確かにしましょう。
そして、しばらくは安静にして、炎症箇所を治すことに専念します。
トレーニングを早くしたい気持ちは分かりますが、少し休んだところで筋肉はすぐに落ちませんので安心してください。
トレーニングに復帰できたら、サイドレイズを辞めるのもひとつの選択肢です。
サイドレイズを行わなくても、インクラインサイドレイズで動作範囲を狭くして行ったり、ショルダープレスなどプレス種目だけ行う方法もありです。
人によっては肩を痛めないコツを取り入れても、痛みが解消されない可能性もあります。
サイドレイズができなければ三角筋側部を大きくできないわけではないので、切り替えて他の種目で鍛えましょう!
サイドレイズの肩の痛みを予防するには?
最後にサイドレイズで肩の痛みを発生させないための予防方法を紹介します!
「サイドレイズで肩を痛めないコツ」を取り入れることに加えて、以下の予防を行いましょう。
・インナーマッスルを鍛える
・オーバーヘッドプレスやシュラッグを行う
・危険な種目を避ける
・サイドレイズを最初に行わない
インナーマッスルを鍛える
ペットボトルを活用して簡単に行えるインナートレーニング動画が大変参考になります。
肩のトレーニング前に行ってしまうと、インナーが疲労して余計に怪我のリスクが高まる可能性もあるので、肩のトレーニングとは別の日や時間をあけて行ってみてください!
オーバーヘッドプレスやシュラッグを行う
ベンチプレスやラットプルダウンなど、肩甲骨を寄せたり、下げたりする動きはトレーニング中頻繁に行っています。
しかし、肩甲骨の挙上や上方回旋という動きはあまり行っていないため、上下のバランスが悪くなり、肩のインピンジメントを引き起こす可能性があります。
このバランスを改善するために、オーバーヘッドプレスやシュラッグをトレーニングに取り入れるのがおすすめです!
危険な種目を避ける
肩のインピンジメントを引き起こす危険な種目は次の通りです。
・アップライトロウ
・小指を上に向けたサイドレイズ
これらの種目は肩を痛めやすいリスクがあります。
特に高重量で脇を広げたベンチプレスは超ハイリスクです。
大胸筋の筋肥大に必ず必要な種目ではありませんし、アップライトロウも絶対にやる必要があるわけではありません。
肩を痛めやすい人や昔野球や投擲種目を行っていて関節が消耗している方は、これらの危険な種目を避けて行いましょう!
サイドレイズを最初に行わない
三角筋側部を発達させるために、肩のトレーニングはサイドレイズから行ってる人も多いことでしょう。
しかし、肩が痛い人にはあまりおすすめできません。
ここまで解説した通り、サイドレイズで効かせるフォームは肩のインピンジメントを起こしやすいです。
なので、少しでも痛める可能性を低くするために、サイドレイズはプレス種目を行って肩関節をしっかり温めてから行いましょう!
プレス種目を行う前にも、動的ストレッチやインナーエクササイズを行うのがおすすめです。
まとめ
今回はサイドレイズで肩を痛めやすい方向けに、肩を痛める原因と痛めないコツ、痛めた場合の対処法と予防法を紹介しました。
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