初めて筋トレ1年目の教科書をご覧になる方へ

STEP②トレーニングのタイプや目的を覚える

 

STEP②トレーニングのタイプや目的を覚える

STEP②トレーニングのタイプや目的を覚える

MASAKI

STEP②では種目の目的や器具による違いなどを理解し、次のSTEP③でよりテクニックを活かせるようにしていきます

トレーニング器具による違い
トレーニング種目の目的
POFトレーニング

トレーニング器具による違い

トレーニング器具による効果の違いを正しく理解することで、目的に応じて最適な器具、種目を選択できるようになります。

・フリーウエイト
・マシン
・ケーブル
・自重

それぞれ効果の違いがあり、あなたの目的に合わせて最適な種目を選択しメニューを構成することが大切です。

また、紹介した意識性の原則の通り、目的や意味を理解して鍛えているかいないかは非常に大切な部分です。

特に今までなんとなく鍛えてきた、という人は目的や意味を考えて意識的に鍛え出すだけで効果の違いを感じるはずでしょう。

器具ごとにメリットデメリットがあり、どんな種目に最適なのかを解説していきます。

フリーウエイト

メリット
・自由な軌道で動作できる
・身体の連動性を向上できる
・多くの筋繊維を動員できる
・負荷がかかるタイミングを調節してPOFで鍛えやすい
デメリット
・フォームの習得が難しい
・体幹部の疲労が激しい

フリーウエイトは何と言っても高重量を扱いやすく、筋肉に強い物理的刺激を与えて筋発達しやすいメリットがあります。

またマシンとは異なり、自由な軌道で動作できるメリットがあるので、怪我を避けて動作を行えます。

一方でデメリットとしては、フォームの習得には練習が必要で、初心者は聞かせるのが難しかったり、日によって効く効かないにバラつきがあったり、怪我をしやすいことです。

その他には体幹が不安定な状態で高重量を扱うことから、体幹部の疲労が溜まりやすいことも考えられます。

まずはフォームの練習を行い、習得できたら
メイン種目として行う

バーベル

メリット
・ダンベルに比べてフォームが安定する
・ダンベルに比べて高重量を扱える
・ダンベルに比べて細かく重量を調節できる
デメリット
・動作が固定される
・狙った部位に効かせるのが難しい

バーベルのメリットはダンベルよりもフォームが安定しやすく、高重量を扱いやすいこと、細かく重量を調節できることです。

なので、筋力向上目的で高重量を扱いたい場合は、ダンベルよりもバーベルの方が適しています。

一方でデメリットとしては、左右独立して動かせないことや、バーが身体に当たるまでしか動作できないため、動作が固定されること

ダンベルよりも狙った部位に効かせるのが難しいことです。

多関節種目かつ高重量で筋力向上を狙う

ダンベル

メリット
・動作が自由
・狙った部位に集中できる
・身体の連動性を向上できる
・片腕づつ動作できる
デメリット
・バーベルに比べてフォームが安定させにくい
・バーベルに比べて重量を扱いにくい
・細かい重量調節が難しい

ダンベルは左右自由に動かせるので、自分の骨格に合わせて効かせやるいことや、片腕づつ鍛えられるメリットがあります。

一方でバーベルよりも更にフォームが難しいことや、ダンベルの多くは2kg刻みになり、両腕で4kgづつしか重量を増やせないので、重量調節が難しい問題もあります。

部位によっては高重量での筋力向上を狙い
ストレッチ種目や収縮種目まで行う

マシン

メリット
・安全に鍛えられる
・狙った部位に集中できる
・負荷が抜けにくい
・フリーウエイトでは難しい動きを簡単に行える
デメリット
・身体の連動性が向上しにくい
・筋繊維の動員数が減る
・ネガティブ動作の負荷が低い
・日本人の骨格に合わない可能性がある
・勢いよく動作すると、動作と負荷との間にタイムラグが生じる

マシンは軌道が一定なので、フォームを習得できていない初心者の方に最適です。

収縮時に負荷をかけやすく、フリーウエイトでは難しい動きを行えるメリットもあります。

デメリットとしては、鍛えられる筋繊維が減り、摩擦抵抗によりネガティブ時の刺激が弱いこと、勢いよく動作すると、動作と負荷の間にタイムラグが生じることです。

筋トレ初心者は効かせやすいマシンから行い
筋肉の収縮&ストレッチを覚えて慣れてきたら
メインはフリーウエイト、鍛えにくい動きはマシンで行う

プレートローディング式マシン

メリット
・摩擦抵抗が少なくフリーウエイトに近い効果が得られる
・動作が安定する
・左右別々に動作できる
・動作の中間で最も負荷が強いものが多い
・ケーブル式マシンと比べて負荷が抜けづらい
・重量の調節がしやすい
デメリット
・日本人の骨格に合わない可能性がある
・ストレッチ時と収縮時に多少負荷がかかりにくい

プレートローディング式マシンのメリットは、通常のマシンと比べてネガティブ刺激が強いことと、負荷が抜けづらいことです。

動作の中盤で負荷が最も強くなるミッドレンジ種目が多く、マシンでありながら高重量での筋力強化に優れています。

また、左右独立して動作できることや重量の調節がしやすいメリットもあるので、効かせるのに慣れてきたら非常に重宝するマシンです。

デメリットはマシンが日本人の骨格に合っていない可能性があることや、ストレッチと収縮時に負荷が多少かかりづらいことです。

高重量を扱って筋力強化や筋破壊を狙うことができ
メイン種目に最適

ケーブル

メリット
・自由な軌道、身体の角度で動かせる
・アタッチメントを取り替えて様々な種目を行える
デメリット
・勢いよく動作すると負荷が抜けやすい
・グリップの回転によって負荷が抜けるポジションがある

ケーブル種目のメリットは自由な軌道や身体の角度で動かせることで、全身色々な部位を鍛えることができます。

ストレッチ時に負荷が強くなるように鍛えることもできますが、マシン種目のデメリット同様ネガティブ刺激が弱い問題があるので、基本的には収縮狙いの種目で活用するのが一般的です。

デメリットとしては勢いよく動作すると負荷が抜けやすいことや、ケーブルカールやプレスダウンなど、アタッチメント取り付け部分の回転によって負荷が抜けてしまうことです。

一見簡単そうに見えて、実は難しいのがケーブルでのトレーニングなので、しっかりとフォームを練習して意識的に鍛えなければなりません。

収縮種目でパンプアップや最大収縮を狙って行う

自重

メリット
・場所を選ばない
・身体の連動性が向上する
デメリット
・負荷の調節が難しい
・オールアウトさせるのが難しい

自重でのトレーニングのメリットは場所を選ばないことと、身体の連動性が向上することだけで、負荷の調節が難しいことや、限界まで動作するのが難しいデメリットの方が大きいです。

もちろん自重だけで筋肉を大きくすることはできますが、発達する部位としにくい部位が顕著になったり、一定のラインから筋肥大させるのが難しくなります。

どうしても自重でしか鍛えられない方以外、あえて自重トレーニングにこだわる必要はないです。

高回数でトレーニングの最後にパンプアップ狙いで行う

トレーニング種目の目的・POFトレーニング

MASAKI

種目ごとに最適な目的が概ね決まっており、それぞれどんな目的で行うのかを説明していきます

筋力強化(ミッドレンジ)

筋破壊(ストレッチ)

パンプアップ(収縮)

重量や回数・インターバルの決め方の部分で軽く説明した通り、目的によってそれぞれ狙う回数と最適なインターバル時間、種目の特徴が決まっています。

目的を変えてアレンジするテクニックについては、STEP④の「目的や環境に合わせてプログラムをアレンジしていく」で詳しく解説していますが、基本的には王道のセオリーから外れることなく鍛えて頂くだけで十分効果があります。

筋力強化(ミッドレンジ)

筋力強化目的で最適な種目としては、高重量を扱える「バーベル種目」かつ「多関節種目」が多いです。

例えば、胸ならベンチプレス、背中ならバーベルロウ、脚ならスクワット、肩ならショルダープレスというような基本種目と呼ばれているものです。

そして狙う回数としては、限界まで動作した際に3〜6回ほどになります。

もちろん種目によっては3回以下の重量でも筋力強化を狙えますが、超高重量となるとその分怪我のリスクも高くなるので、ここでは3〜6回とさせていただきます。

インターバルについては高重量を扱うこともあり、神経疲労をしっかりと回復させ、呼吸が乱れた状態ではなく3〜5分ほど休んでから行います。

例えば、スクワットでは5分近く休まないと高重量を扱えない可能性が高いですし、ショルダープレスでは3分ほどで回復する可能性が高いので、3〜5分と幅を持たせています。

筋力強化目的の種目では、インターバルを詰めてパンプアップさせたり、筋肉に効いている感覚を味わう目的ではないので、とにかく高重量を扱うことを第一優先で行います(フォームと可動域は当然できている前提です)

そして、できるだけ筋力強化目的の種目はメニューに含めたいです。

筋力と筋肉の太さは概ね比例するので、強い力を発揮できる筋肉はやはり大きいです。

例えば、今のメニューに筋力強化の種目がなく、全て10回狙い、筋破壊やパンプアップ目的の種目ばかりだと、ある程度は筋肥大してもどこかで頭打ちする可能性があります。

なぜなら筋力が向上しづらいからです。

筋力が向上すれば、筋破壊・パンプアップ目的の種目で扱う重量も増えるので、結果的に全ての強度が向上していきます。

どんな目的で鍛えていようと筋肥大させたいなら、筋力強化の種目を最低でも1種目は入れたいです。

余談ですが、筋力強化目的の種目がメインのパワーリフターやベンチプレッサーの方達は、筋肥大させることに重点を置いていなくても、凄い大胸筋や背中、脚をしていますよね?

高重量を持つことから逃げていては、それ相応の身体にしかならないでしょう。

パンプアップ目的の収縮種目やケーブル種目は効いている感があり、やりがいがあるかもしれませんが、それだけではダメです。

MASAKI

例え減量中でも筋力を伸ばす意識は絶対に忘れずに鍛えたいです

筋破壊(ストレッチ)

次にストレッチ時に負荷が強いストレッチ種目は、筋肉に直接的な物理的刺激を与えることができ、筋肥大効果が高いと言われています。

私自身も胸ならダンベルフライ、腕ならインクラインカールやフレンチプレスなど、ストレッチ種目をやり込んだおかげで成長した実感があります。

同じように「ストレッチ種目が最も筋肥大に貢献した」と言っている人は多いですよね?ここは疑う余地なく間違いないと思います。

ストレッチで筋破壊を狙った種目では8〜10回ほどの回数を狙い、ある程度の高重量は扱いつつ、広い可動域で動作します。

インターバルは種目にもよりますが1分半〜3分ほどで、十分に回復させつつ行いたいです。

ストレッチ種目は筋肉に強いストレスがかかり、筋損傷を引き起こし筋肉痛になりやすい特徴があるのですが、それに付随してストレッチ種目を1種目目に行う際は注意が必要です。

もちろん1種目目に行えば、より高重量を扱えますが、筋肉がまだしっかり温まっておらず部分的な筋断裂やひどい場合は完全に断裂するなど怪我のリスクがあります。

私自身も昔調子に乗ってダンベルフライをウォーミングアップなしで1種目目に行って大胸筋を部分断裂したことがあるので、ある程度経験を積んでいる方でも気をつけてもらいたいです。

強い刺激を与えられるからこそ怪我には十分注意して、トレーニング中盤〜後半で使用重量が落ちた段階で行うのも良いでしょう。

そして筋破壊を狙ったストレッチ種目のポイントとしては「広い可動域で動作すること」「ストレッチ時に脱力しない」ことです。

筋トレでいうストレッチとは力を抜かずに負荷に耐えながら筋肉が伸ばされることを言います。

このストレッチを勘違いして、普通のストレッチや柔軟のように、脱力してでも筋肉を伸ばせば良いと思ってしまっている方がいます。

しかし、これは怪我の原因になりますので、絶対に脱力しないように注意してください。

MASAKI

絶対に力を抜かずに、筋肉に負荷がかかった状態での可動域でストレッチさせるようにしてください

パンプアップ(収縮)

最後にパンプアップ目的の収縮種目は、収縮時に負荷をかけたいため「マシン種目」かつ「短関節種目」が多いです。

例えば、胸ならペックフライ、腕ならマシンカールやケーブルカール、脚ならレッグエクステンションやレッグカールなどになります。

そして狙う回数としては12回〜20回で限界になる高回数です。

場合によっては刺激を変えるために、20回以上のセットを行うのも効果的です。

しかし、知っておいてもらいたいのは、高回数になればなるほど限界まで動作することや重量設定が難しいということです。

3回狙いの高重量ではどうやっても4回できないと思いますが、20回狙いの重量では21回や22回頑張れば動作できそうですよね?

これは重量設定が難しいのと、フォームが崩れて他の筋肉を動員するなどが原因と考えられます。

なので、一般的には高重量でのトレーニングの方が上級者向けと言われがちですが、しっかり1セットで限界まで追い込むことを考えた場合、低重量高回数の方がはるかに難しく非常にキツイです。

スクワットを5回狙いで行うのと、20回狙いで行うのではキツさが全く違います。

なので、低重量高回数だからといって、本当に限界まで動作する場合「楽なんてことは絶対にない」と覚えておいてください。

もし、余裕があって高重量停回数のトレーニングよりも楽に感じるのであれば、本当に全力を出せているか一度考えてみるのも良いかもしれません。

インターバルについては、40秒〜1分半ほどの完全に回復しない短いインターバルで動かし続け、パンプアップを促します。

そして、収縮種目は名前の通り、その種目の中での最大収縮まできっちり動作しなければなりません。

例えばペックフライでしっかりと肘を寄せ切れていなかったり、プレスダウンで肘を伸ばしきれていない、レッグエクステンションで膝を伸ばせていない。

これは重量が重すぎるという証拠です。

あくまでも最大収縮できて、12〜20回狙いの重量を選択して鍛えるようにしてください。

MASAKI

バリエーションとして、トレーニングの後半に行っていた収縮種目を前半に行うと、使用重量が増え新しい刺激を与えられます