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目次
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5STEPトレーニングプログラムの全体像
MASAKI
しかし、ぶっちゃけここの認識や考え方がズレていては、結果が得られる可能性がガクッと下がってしまうので、絶対に読み飛ばさないでください。
種目の目的やPOF、目標を達成するためにどの器具を使用するべきなのか?
器具ごとのメリットやデメリット、特徴を深く掘り下げて説明しています。
目的と手段が噛み合っていないトレーニングを行なっている方も非常に多いので、遠回りや無駄な労力をかけないためにも、最適な手段を選択できる知識を習得しましょう。
何をやるかよりも”どうやるか”
これがこの5STEPトレーニングプログラムの最も重要な部分です。
テンプレ化されたプログラムを購入しても、どうやるかを考えていかなければ何の意味もありません。
テンプレ化されたトレーニングメニューをただ配布する?いいえそんなことはしません。
あなたが今後一生自分で最強のトレーニングプログラムを作成できる様に、目的や環境に合わせてプログラムをアレンジしていく方法を説明しています。
STEP4まででも、十分今までとは全く異なるレベルのトレーニングを行なっていけるようになるでしょう。
しかし、ここで終わってしまっては非常にもったいないです。
STEP3で説明したトレーニングテクニックを実践して、自分の動きの癖や骨格に合わせて習得していくためには、フォームの改善が必須だからです。
何度も何度もフォームをチェックしていき、自分のフォームを確率させる方法をお伝えしています。
MASAKI
STEP①身体作りの原理原則や基本方針を叩き込む
MASAKI
筋肉が大きくなる仕組み
身体作りの3原理5原則
基本的な機能解剖学
結果を出すための基本方針
それぞれ詳しく説明していきます。
筋肉が大きくなる仕組み
まずはそもそも筋肉が大きくなる仕組みからお話します。
筋肉はストレスへの適応反応として大きくなり、このストレスには次の2種類があります。
①物理的刺激
②化学的刺激
それぞれ非常に細かく言うと筋肥大する内容が異なり(どちらでも”筋肉”は大きくなります)、どちらか一方の刺激に偏るのではなく、両方の刺激を与えることが大切です。
物理的刺激
物理的刺激とは、3〜6回しか行えないような高重量を使用したトレーニングで与えられる刺激で、筋力向上と収縮タンパク質が増大する効果があると言われています。
筋力と筋肉の断面積は概ね比例するので「力が強ければ筋肉は太い」ということになり、筋力向上は筋肥大にとってなくてはならない要素です。
筋力が向上すれば、低重量高回数で行う種目の使用重量も向上させられます。
そして、収縮タンパク質の増大とは何かというと、筋繊維の最小単位のことで、アクチン繊維とミオシン繊維が横紋模様状に存在しています
アクチンとミオシンの距離が近くなる現象を「筋肉の収縮」と考えられているのですが、物理的刺激を与えると、この収縮タンパク質が増大、つまり太くなるということです。
・筋力向上
・収縮タンパク質の増大
化学的刺激
化学的刺激とは、12回以上行えるような重量を使用して、比較的高回数のトレーニングで与える刺激で、ミトコンドリアや毛細血管、筋小胞体、グリコーゲンなどの筋形質を増大させる効果があると言われています。
筋形質が増大することでも、結果として”筋肉”は大きくなるので、高重量でのトレーニングだけではいけないということですね。
ハイレップでのトレーニングで筋肉が焼け付くような痛みに耐えながら鍛えることも大事です。
そして、物理的刺激と化学的刺激を狙ったトレーニングそれぞれのデメリットは以下の通り。
物理的刺激のデメリット
・高重量によるフォームの乱れと怪我
化学的刺激のデメリット
・限界まで追い込むには強い精神力が必要
今後このプログラムの中で様々な種目や方法を解説していきますが、このデメリットをよく頭に入れた上で鍛えてもらいたいです。
・パンプアップ&ミトコンドリア&毛細血管の発達
・筋形質の増大
身体作りの3原理5原則
次に身体作りのトレーニングにおける原理原則をご紹介していきます。
ぶっちゃけめちゃくちゃ重要なんですが、意外と知らない方が多かったり、守れていない方もいるので「私は知っているよ!」という方でも復習の意味も兼ねて再度目を通していただきたいです。
過負荷の原理
過負荷の原理はオーバーロードとも呼ばれており、ある一定以上の負荷を筋肉に与えなければ筋肉は成長しないという原理です。
筋肉が大きくなる仕組みで解説した通り、筋肉は与えられたストレスに適応しようとして強く大きくなるので、それに見合うストレスを与えなければなりません。
「楽なトレーニングをしていては身体は変わらない」非常に抽象的で漠然とした根性論のような話ですが、これは疑う余地のない真実です。
「楽」と感じるレベルは人によって変わりますが、少なくとも自分で「楽」と感じる、余裕があるような甘いトレーニングでは大した結果は得られないと思ってください。
もし楽に筋肉を大きくする方法をお探しの場合は、このプログラムではなく違うプログラムをお探しくださいませ。
可逆性の原理
可逆性の原理とは、トレーニングを行うと、そのストレスに適応して筋力向上や筋肥大が起こりますが、トレーニングを辞めてしまうとまた元に戻ってしまうという原理です。
継続していかないと、せっかく手に入れた身体も維持できません。
トレーニングを行って高めた体力や筋量も、トレーニングを止めてしまえば元のレベルに戻ってしまうでしょう。
また、ハードに鍛えて手に入れた筋肉も、トレーニングの強度を下げすぎれば当然失ってしまうことも知っておかなければなりません。
よくあるのが、減量中に極端に強度を下げてしまうパターン。
低カロリー状態と相まって筋肉が失われやすいので要注意です。
特異性の原理
特異性の原則とは、行うトレーニング種目や やり方によって、効果が変わるという原則です。
STEP②で詳しく解説しますが、トレーニング種目ごとに適した目的があり、その目的ごとに狙う回数やインターバルなどが変わってきます。
他にもトレーニング器具による効果の違いも知っておく必要があり、求める効果を確実に得るためにも、目的に合った正しいやり方を身につけましょう
全面性の原則
全面性の原則は、色々なトレーニング、色々な部位のトレーニングを行うことが大切という原則です。
「太くしたい部位だけ鍛えれば良いだろ!」と思う方もいるかもしれません。これについては半分同意します。
というのも、別に誰もが脚を太くしたいわけじゃなかったり、なりたい身体も何もかも人それぞれですよね。
なので、基本的には鍛えたい部位だけ鍛えても全然良いと思っています。
しかし、その影響は必ず知っておかなければならないとも思います。鍛える部位が偏ると骨格が無意識のうちに歪んでしまったり、怪我の原因になります。
他にも脚など大きな筋肉を鍛えていないと、代謝向上にも悪影響を与え、ダイエットも上手く進まないかもしれません。
漸進性(ぜんしんせい)の原則
3原理5原則のうち、最も重要と言っていいのが漸進性の原則です。
漸進性の原則とは、同じ負荷で鍛え続けるのではなく、徐々に負荷を高めていくことが大切という原則になります。
分かりやすいのは使用重量や回数など、前回のトレーニングよりも向上させ、運動強度を高めていきます。
いつまでも同じ強度で鍛えていたら、その強度に見合った身体にしかなりません。過負荷の原理と同じように、楽なトレーニングでは成長しませんし、楽ではなくても身体が慣れたトレーニングでも成長しません。
このSTEP①で重量回数の設定方法や重量を増やす基準を説明しているので、結果を出すために絶対に実践してください。
反復性の原則
1日5分で腹筋バキバキ、1日で腕を太くする最強種目、そんなふざけた話がないことは、このプログラムを購入したあなたはすでにご存じだと思います。
どれだけ優れたトレーニングやテクニックだとしても、継続しなければ意味はないと言うことです。
いや、こう言うのが正しいのかもしれません。
「継続”できなければ”意味はありません」
反復性の原則は名前の通り、継続しなければ意味はないという原則です。
継続できない無理なダイエットや、無理なトレーニング、1回きりのパーソナルや合トレ、全て継続できなければ意味はありません。
だからこの5STEPトレーニングプログラムでは、見たことない全く新しい種目や、ケーブルを使った奇抜なフォームの種目は一切紹介していません。
全て王道中の王道種目、基本種目ばかりで、なおかつ多くの人のトレーニング環境によって左右されないためにも、フリーウエイト種目を中心に構成しています。
継続できるプログラムを前提に考えていますので、今後の筋トレ人生をこの5STEPトレーニングプログラムを元に進めていくことも可能です。
個別性の原則
個別性の原則はSTEP⑤で詳しく説明していますが、性別・年齢・体格・体力・動作の癖・骨格など、人それぞれあらゆる特徴や違いがあるので、個人に合ったトレーニングを行う必要があるという原則です。
特に重要になるのがフォーム。
動かし方の癖や骨格によって、最適なフォームというのは人それぞれ異なるので、フォームを細かくチェックしながら何度も修正し練習していく必要があります。
意識性の原則
意識性の原則とは、種目の目的やトレーニング内容、意味をよく理解して鍛えることが大切という原則です。
この5STEPトレーニングプログラムでは、あらゆる部分に意味や目的を持たせており、筋トレを始めたばかりの方でも意識して鍛えていけるよう徹底的に説明しています。
基本的な機能解剖学
MASAKI
起始と停止の位置
停止が起始に向かって動く
起始を固定しないと収縮しない
多関節筋と単関節筋
筋繊維の走行タイプ
それぞれ詳しく説明していきます。
起始と停止の位置
解剖学と聞くと「よく分からないし、面倒臭そう」と感じる方が多いですが、本気で身体を変えたいなら必ず理解しておくべき知識です。
ぶっちゃけYouTubeでよく分からない最新トレーニングテクニックで学んだ気になるよりも、解剖学の理解を深めた方が数千倍価値があります。これは断言します。
なぜなら、解剖学を知れば狙っている筋肉をピンポイントで刺激でき、間違った動作を避けること、怪我を防ぐことができるんです。
つまり「なんとなくだけど、こう動作した方が良い気がする」ではなくて「筋肉がこうついているからこう!」と自信を持って鍛えていけます。
MASAKI
・筋肉が収縮することで起始と停止が近づく
・起始と停止が離れることで筋肉がストレッチされる
起始停止の位置を知っていれば、狙っている筋肉を最大限収縮し、最大限ストレッチさせることができます。
また、筋肉は骨に対して付着しているので、どの骨をどこに向かって動かせば、どの筋肉が鍛えられるかが分かり、筋肉に刺激を的確に与えられる動作を行えます。
停止が起始に向かって動く
次に知っておくべき部分は停止から起始に向かって動くことです。
基本的には体幹に近い方を起始、遠い方を停止、そして停止から起始に向かって動くので大きく動く方が停止です。
上の図の大胸筋で言えば、上腕についた停止が鎖骨や胸骨などの起始に向かって動きます。
トレーニングでは自然とこの動きを行っていますよね?
ベンチプレスでも、ダンベルフライでも、腕立て伏せでも全てこの動きです。
他の部位でも同様で、停止が起始に向かって動きます。
何が言いたいかというと、この逆の起始から停止に動くトレーニングは基本的にはほとんどないと言うことです。
起始を固定しないと収縮しない
停止が起始に向かって動くのと同じく知っておくべき部分は、起始を固定しないと収縮しないことです。
イメージしやすいのは肩の三角筋後部です
三角筋後部は上腕骨から肩甲骨に付着しているのですが、肩甲骨が寄る動きでダンベルリアレイズを行っても、起始が動いてしまい三角筋後部は収縮せずに、肩甲骨を寄せる僧帽筋中部下部に効いてしまいます。
「対象の筋肉以外は動かさないようにしよう」と言われているのは、これが理由です。
起始が動いているということは、対象の筋肉以外が動いている証拠なので、この点からも基本的な機能解剖学を理解すべき理由が分かるかと思います。
多関節筋と単関節筋
次に鍛える筋肉が多関節筋なのか単関節筋なのかも必ず知っておくべき部分です。
多関節筋=2つ以上の関節の動きに関与する筋肉
単関節筋=1つの関節の動きに関与する筋肉
単関節筋はシンプルに1つの関節を動かすだけで鍛えられるので簡単ですが、多関節筋は2つの関節を連動させなければならないので少し難しいです。
例えば上腕三頭筋の外側頭と内側頭は肘だけの動きに関与する単関節筋ですが、長頭は肩と肘の動きに関与する多関節筋です。
肘だけ動かしてもダメですし、肩だけ動かしてもダメ。
長頭に効かせるためには、肩と肘を連動させて動作できなければなりません。
他にも大腿四頭筋の大腿直筋なども同様です。
鍛える筋肉が短関節筋か多関節筋かを把握し、どういった動きでストレッチ&収縮を行えるのか頭に入れておきましょう!
筋繊維の走行タイプ
MASAKI
・羽状筋
・紡錘状筋
羽状筋
羽状筋は高重量でボリュームの多いトレーニングで行うのに適している筋繊維で、上腕三頭筋や大腿四頭筋、多羽状筋の三角筋中部、腓腹筋などがあります。
よく三角筋中部は軽い重量でのサイドレイズばかり行っている方が多いですが、高重量での刺激にも反応しやすい可能性があるので、チーティングを活用したサイドレイズや、高重量でのアップライトロウ、ワンハンドサイドレイズも有効です。
紡錘状筋
紡錘状筋は筋繊維が直線的に走行している筋繊維で、中重量以下で収縮からストレッチまで広い可動域で鍛えるのに適しています。
MASAKI
筋繊維の走行を揃えて力を出しやすくする
解剖学と筋繊維の走行タイプに合わせて、ぜひ知っておいてもらいたいことは、鍛えたい部位の「筋繊維の走行を揃えて力を出しやすくする」ことです。
例えば上腕二頭筋を鍛えるダンベルカールでは、停止部が橈骨という親指側の前腕に位置するので、手首を回外して手のひらを上に向けた状態で動作する必要があります。
この状態を作ることで、停止部から起始部まで筋繊維の走行が揃い、収縮しやすく力を発揮しやすくなります。
実際に手のひらを上に向けたカール動作では上腕二頭筋がメインで働き、回内して親指を上に向けた動作では上腕筋がメインで働くようになります。
第7章の動画講義を参考に、主要部位の解剖学を確認して、実際にトレーニングしながらどうすれば筋繊維の走行を揃えて力を出せるのかを考えてみてください。
結果を出すための基本方針
MASAKI
フォームが最も重要
余力を残すという考えは捨ててください
重量や回数・インターバルの決め方
可動域について
オーバートレーニングについて
最適解は自分で試さないと絶対に分からない
プログラム通りに進めること
フォームが最も重要
フォームが全ての土台になるので、最優先事項はフォームの習得です。
STEP③で全身主要種目の具体的なトレーニングテクニックやフォームを動画で解説していますので、何度も何度も見て、つま先から頭の先まで意識して完璧なフォームを追求してください。
「なんとなくこのくらいでいいか…」とは思わず、最初から完璧を求めて練習することが大切です。
なぜなら、いきなり上手くは絶対にできないからです。
何度も何度も意識してフォームを練習していくうちに、段々と上手くなり、今まで考えずに鍛えていた時と比べて、刺激が段違いに変わってきます。
フォームが習得できていないうちに、重量や回数などその他の要素をいくらこだわっても、その努力は筋肥大につながりません。
せっかくこれからこのプログラムで鍛えていくなら、今まで意識していなかった部分までしっかりと考えて、1つ1つの種目のフォームを極めるつもりで取り組んで頂ければなと思います。
怪我には十分注意してください!
このプログラムでは「追い込まなくていいよ♪」とか「楽に余力を残して終わろう♪」なんて一切言いません。
ぶっちゃけプログラム通りに進めて頂ければ
かなりキツイトレーニングです。
だけどその分得られる結果も大きい。
そんなプログラムです。
そこで皆さんには絶対に正しいフォームを習得した上で、怪我には十分注意して鍛えてもらいたいんです。
当然生優しいトレーニングではないので、
変なフォームで無理をしたら怪我のリスクが高まります。
怪我しないように管理するのは当然ご自分でお願いします。
フォームが崩れるまで無理をしない、痛みがあればすぐに中断する、休養と回復にも気を配る、これらはハードにトレーニングする上で欠かせない部分です。
MASAKI
余力を残すという考えは捨ててください
怪我には注意してくださいね!と言ってすぐにアレですが、各セット各種目、各部位で余力を残すという考えは捨ててください。
昨今「追い込まなくても筋肥大する」「余力を残してボリュームを稼ごう」という方法が流行っていますよね?
しかし、本気で身体を作り替えたい人には断固として
「余力を残すという考えは捨ててください」と伝えています。
理由はめちゃくちゃ単純で、どれだけ限界まで動作していると思っていても、大抵の人がすでに余力を残しまくっているからです。
私もインクラインカールで粘りすぎて鼻血が噴き出たり、唇を噛み切ったり、デットリフトやショルダープレスで失神したことがあり、日々限界まで動作している自信はありますが、おそらくそんな私でもまだまだでしょう。
人の限界には精神的限界と肉体的限界の2つがあると言われており、肉体的限界に到達する前に精神的限界がきます。
そして筋トレ初心者の方ほど、この精神的限界がくるのが早く、実際にはまだまだ行えるのにも関わらずセットを終了してしまいます。
実際に多くの人をサポートしてきましたが、本当に限界近くまで動作できている人は1割にも満たないです。
「まだまだできるのに、なんで辞めちゃったの!??」というセットが多いんですね。
そんな状況の人が更に追い込まないで、余力を残して鍛えようとしていたらどうなりますか?現時点で全く追い込めていないんですよ?
サラッとしたトレーニングで追い込まずに、ただボリュームだけを稼いで大きくなるなんで夢物語です。身体に注射器をブッ刺して薬物を使っていれば別ですが。
筋肥大させるためには「筋肉が大きくなる理由を作る」必要があるんです。
限界まで動作する癖を身につけなければ、
今後あなたの身体はたいして変化せずに終わることを断言してもいいです。
つまらないことは考えずに限界まで動作してください。
MASAKI
重量や回数・インターバルの決め方
トレーニングプログラムを作成する際に「重量や回数・インターバルってどうすれば良いのだろう?」と思いますよね?
基本的な決め方は、種目の目的を「筋力向上・筋破壊・パンプアップ」からどれに該当するか考えて、目的別に回数やインターバルを決めていきます。
重量については回数が決まれば、その回数で限界になる重量を選択するだけなので簡単ですよね(この点からも余力を残していたら意味が分からなくなります)
そして重量の増やし方は上の画像の通り、
①各セット前回と照らし合わせて重量回数を増やしていく
②目標の上限に達したセットは次回増やす
③達していないセットは上限まで回数を増やしていく
④下限だったセットの次のセットは重量を落とす
よく言われている10回3セット同じ重量でできたら、次回重量を増やすという方法は
まだフォームを練習する必要がある人限定の話です(10回3セット同じ重量で行えるのは現実的ではありませんよね?インターバル2時間とかだったら別ですが)
しっかり1セットで限界まで動作している場合は、ほぼ確実に回数が低下していきます。
なので、目標回数に8〜10、10〜12など範囲を持たせておき、上記の4点を元に重量回数を増やして頂くのがおすすめです。
もちろん画像のようにコンスタントに重量回数を増やすことはできませんが、この方法であれば重量ないし回数を日々向上させていきやすいはずです。
そして、目標回数の範囲やインターバルは上の画像の通り、筋力向上を狙った種目では3〜6回の高重量を扱い、インターバルを3〜5分ほど長めにとります。筋破壊、パンプアップも同様に概ね決まっています。
「どの種目が筋力向上で筋破壊か分からないよ!」という方は、こちらを参考にしてください。
また、STEP③で全身主要種目の内訳も説明しています。
MASAKI
可動域について
MASAKI
可動域について必ず理解しておいてもらいたいのは次の通り。
筋肉に刺激がかかっている全可動域で動作する
狙っている筋肉だけに最も負荷がかかる可動域で動作する
狙っている筋肉から力が抜けるほどの可動域で動作するのではなく、1セットを通して常に力が入っている状態を目指してください。
これが最も重要なことで、その次に狙っている筋肉だけに最も負荷がかかる可動域で動作することも考えていきます。
人間は本来全身の筋肉を連動させて歩いたり、物を持ち上げたりしていますが、筋トレでは真逆の動かし方をします。
つまり、全身の筋肉を連動させることなく、狙っている筋肉だけを動かすのです。
例えば、サイドレイズで高く持ち上げすぎると、本来鍛えたい三角筋中部ではなく僧帽筋に負荷が逃げてしまいますよね?
他にも、ダンベルリアレイズだったら、肩甲骨を寄せるまで持ち上げたら、僧帽筋中部下部に負荷が逃げてしまいます。
これは先ほど説明した「起始を固定しないと収縮しない」という話と同じです。
上腕三頭筋を鍛えるライイングエクステンションでも同じです。
深く下ろして広い可動域を取ろうと思いすぎて、肋骨が開き身体が反るほど下ろせば、広背筋や大円筋に負荷が逃げてしまいます。プルオーバーのような動作ですよね?
この辺のテクニックを含めてSTEP③で説明していきますが、可動域についての認識はここで統一させておきたいです。
オーバートレーニングについて
次に多くの人が気になっているであろうオーバートレーニングについて
まず、オーバートレーニングのあるなしで言えばあります。
しかし、たかだか数時間、しかもインターバルを取りながらの筋トレ、さらに限界まで追い込む能力が低い筋トレ初心者(その点では私もまだまだ初心者でしょう)がオーバーワークになるかと言われると、99.9%ならないと私は思います。
気にする必要があるか?
全くありません。
そんなことよりも限界まで追い込めていないトレーニングの甘さの方が遥かに気にするべきです。
また「私はハードに鍛えてオーバーワークになりました!」という人も話を聞いてみると、全く食事管理や休養に気をつかっていなかったり、そもそも怪我したことやただの疲労をオーバーワークと捉えているなんてことばかりです。
怪我したのはオーバーワークではなく、フォームが崩れていたのが原因。
疲労はルーティンやケア、食事管理や睡眠のテキトーさが原因。
99.9%の人はそうでしょう。
今は「オーバーワークになったら筋肉が分解しちゃうから、トレーニングを1時間以内で終わらせてEAAを飲もう!」というビジネスが行われていますが、大丈夫、多くの人はオーバーワークになろうと思ってもなれません。
ただ勘違いして欲しくないのは、オーバーワークはないから回復に全く気を使わなくていい訳ではないことです。
MASAKI
最適解は自分で試さないと絶対に分からない
このプログラムを購入していただいた方は、当然プログラムを実行していただけると思いますが、中には永遠とどっちの方法が良いか悩み続けて、一向に行動に移さない人もいますよね?
「あなたにとっての最適解は自分で試さないと絶対にわかりません」断言してもいいです。100%わかりません。
どれだけ時間をかけても、どれだけ優秀なトレーナーに指導してもらっても、試さない限り何のフィードバックも得られません。
フィードバックが得られなければ改善のしようがなく何も良くなりません。
重量設定もインターバルもプログラムの作り方も、各種目のテクニックも全て絶対に試してください。
そしていきなり上手くできることはないので、STEP⑤のフォームを修正していく段階で改善を重ねていきましょう。
プログラム通りに進めること
最後に念を押すようで申し訳ないですが
この5STEPトレーニングプログラムは私の今までの学習と経験を詰め込んでおり、制作には2ヶ月以上、何度も修正を重ねて、色々な人にチェックしてもらいながら完成までなんとか辿り着きました。
購入いただいた方全員に、
大袈裟ではなくマジで全員に結果を出してもらいたいんです。
なので、プログラム通りに進めることを約束してください。
一度読んだだけでは頭に入らなかったり、すぐに忘れてしまう部分もあるはずなので、何度も読み込んで確実に自分のものにしてください。
MASAKI
STEP②トレーニングのタイプや目的を覚える
MASAKI
トレーニング器具による違い
トレーニング種目の目的
POFトレーニング
トレーニング器具による違い
トレーニング器具による効果の違いを正しく理解することで、目的に応じて最適な器具、種目を選択できるようになります。
・フリーウエイト
・マシン
・ケーブル
・自重
それぞれ効果の違いがあり、あなたの目的に合わせて最適な種目を選択しメニューを構成することが大切です。
また、紹介した意識性の原則の通り、目的や意味を理解して鍛えているかいないかは非常に大切な部分です。
特に今までなんとなく鍛えてきた、という人は目的や意味を考えて意識的に鍛え出すだけで効果の違いを感じるはずでしょう。
器具ごとにメリットデメリットがあり、どんな種目に最適なのかを解説していきます。
フリーウエイト
・身体の連動性を向上できる
・多くの筋繊維を動員できる
・負荷がかかるタイミングを調節してPOFで鍛えやすい
・体幹部の疲労が激しい
フリーウエイトは何と言っても高重量を扱いやすく、筋肉に強い物理的刺激を与えて筋発達しやすいメリットがあります。
またマシンとは異なり、自由な軌道で動作できるメリットがあるので、怪我を避けて動作を行えます。
一方でデメリットとしては、フォームの習得には練習が必要で、初心者は聞かせるのが難しかったり、日によって効く効かないにバラつきがあったり、怪我をしやすいことです。
その他には体幹が不安定な状態で高重量を扱うことから、体幹部の疲労が溜まりやすいことも考えられます。
まずはフォームの練習を行い、習得できたら
メイン種目として行う
バーベル
・ダンベルに比べて高重量を扱える
・ダンベルに比べて細かく重量を調節できる
・狙った部位に効かせるのが難しい
バーベルのメリットはダンベルよりもフォームが安定しやすく、高重量を扱いやすいこと、細かく重量を調節できることです。
なので、筋力向上目的で高重量を扱いたい場合は、ダンベルよりもバーベルの方が適しています。
一方でデメリットとしては、左右独立して動かせないことや、バーが身体に当たるまでしか動作できないため、動作が固定されること
ダンベルよりも狙った部位に効かせるのが難しいことです。
多関節種目かつ高重量で筋力向上を狙う
ダンベル
・狙った部位に集中できる
・身体の連動性を向上できる
・片腕づつ動作できる
・バーベルに比べて重量を扱いにくい
・細かい重量調節が難しい
ダンベルは左右自由に動かせるので、自分の骨格に合わせて効かせやるいことや、片腕づつ鍛えられるメリットがあります。
一方でバーベルよりも更にフォームが難しいことや、ダンベルの多くは2kg刻みになり、両腕で4kgづつしか重量を増やせないので、重量調節が難しい問題もあります。
部位によっては高重量での筋力向上を狙い
ストレッチ種目や収縮種目まで行う
マシン
・狙った部位に集中できる
・負荷が抜けにくい
・フリーウエイトでは難しい動きを簡単に行える
・筋繊維の動員数が減る
・ネガティブ動作の負荷が低い
・日本人の骨格に合わない可能性がある
・勢いよく動作すると、動作と負荷との間にタイムラグが生じる
マシンは軌道が一定なので、フォームを習得できていない初心者の方に最適です。
収縮時に負荷をかけやすく、フリーウエイトでは難しい動きを行えるメリットもあります。
デメリットとしては、鍛えられる筋繊維が減り、摩擦抵抗によりネガティブ時の刺激が弱いこと、勢いよく動作すると、動作と負荷の間にタイムラグが生じることです。
筋トレ初心者は効かせやすいマシンから行い
筋肉の収縮&ストレッチを覚えて慣れてきたら
メインはフリーウエイト、鍛えにくい動きはマシンで行う
プレートローディング式マシン
・動作が安定する
・左右別々に動作できる
・動作の中間で最も負荷が強いものが多い
・ケーブル式マシンと比べて負荷が抜けづらい
・重量の調節がしやすい
・ストレッチ時と収縮時に多少負荷がかかりにくい
プレートローディング式マシンのメリットは、通常のマシンと比べてネガティブ刺激が強いことと、負荷が抜けづらいことです。
動作の中盤で負荷が最も強くなるミッドレンジ種目が多く、マシンでありながら高重量での筋力強化に優れています。
また、左右独立して動作できることや重量の調節がしやすいメリットもあるので、効かせるのに慣れてきたら非常に重宝するマシンです。
デメリットはマシンが日本人の骨格に合っていない可能性があることや、ストレッチと収縮時に負荷が多少かかりづらいことです。
高重量を扱って筋力強化や筋破壊を狙うことができ
メイン種目に最適
ケーブル
・アタッチメントを取り替えて様々な種目を行える
・グリップの回転によって負荷が抜けるポジションがある
ケーブル種目のメリットは自由な軌道や身体の角度で動かせることで、全身色々な部位を鍛えることができます。
ストレッチ時に負荷が強くなるように鍛えることもできますが、マシン種目のデメリット同様ネガティブ刺激が弱い問題があるので、基本的には収縮狙いの種目で活用するのが一般的です。
デメリットとしては勢いよく動作すると負荷が抜けやすいことや、ケーブルカールやプレスダウンなど、アタッチメント取り付け部分の回転によって負荷が抜けてしまうことです。
一見簡単そうに見えて、実は難しいのがケーブルでのトレーニングなので、しっかりとフォームを練習して意識的に鍛えなければなりません。
収縮種目でパンプアップや最大収縮を狙って行う
自重
・身体の連動性が向上する
・オールアウトさせるのが難しい
自重でのトレーニングのメリットは場所を選ばないことと、身体の連動性が向上することだけで、負荷の調節が難しいことや、限界まで動作するのが難しいデメリットの方が大きいです。
もちろん自重だけで筋肉を大きくすることはできますが、発達する部位としにくい部位が顕著になったり、一定のラインから筋肥大させるのが難しくなります。
どうしても自重でしか鍛えられない方以外、あえて自重トレーニングにこだわる必要はないです。
高回数でトレーニングの最後にパンプアップ狙いで行う
トレーニング種目の目的・POFトレーニング
MASAKI
筋力強化(ミッドレンジ)
筋破壊(ストレッチ)
パンプアップ(収縮)
重量や回数・インターバルの決め方の部分で軽く説明した通り、目的によってそれぞれ狙う回数と最適なインターバル時間、種目の特徴が決まっています。
目的を変えてアレンジするテクニックについては、STEP④の「目的や環境に合わせてプログラムをアレンジしていく」で詳しく解説していますが、基本的には王道のセオリーから外れることなく鍛えて頂くだけで十分効果があります。
筋力強化(ミッドレンジ)
筋力強化目的で最適な種目としては、高重量を扱える「バーベル種目」かつ「多関節種目」が多いです。
例えば、胸ならベンチプレス、背中ならバーベルロウ、脚ならスクワット、肩ならショルダープレスというような基本種目と呼ばれているものです。
そして狙う回数としては、限界まで動作した際に3〜6回ほどになります。
もちろん種目によっては3回以下の重量でも筋力強化を狙えますが、超高重量となるとその分怪我のリスクも高くなるので、ここでは3〜6回とさせていただきます。
インターバルについては高重量を扱うこともあり、神経疲労をしっかりと回復させ、呼吸が乱れた状態ではなく3〜5分ほど休んでから行います。
例えば、スクワットでは5分近く休まないと高重量を扱えない可能性が高いですし、ショルダープレスでは3分ほどで回復する可能性が高いので、3〜5分と幅を持たせています。
筋力強化目的の種目では、インターバルを詰めてパンプアップさせたり、筋肉に効いている感覚を味わう目的ではないので、とにかく高重量を扱うことを第一優先で行います(フォームと可動域は当然できている前提です)
そして、できるだけ筋力強化目的の種目はメニューに含めたいです。
筋力と筋肉の太さは概ね比例するので、強い力を発揮できる筋肉はやはり大きいです。
例えば、今のメニューに筋力強化の種目がなく、全て10回狙い、筋破壊やパンプアップ目的の種目ばかりだと、ある程度は筋肥大してもどこかで頭打ちする可能性があります。
なぜなら筋力が向上しづらいからです。
筋力が向上すれば、筋破壊・パンプアップ目的の種目で扱う重量も増えるので、結果的に全ての強度が向上していきます。
どんな目的で鍛えていようと筋肥大させたいなら、筋力強化の種目を最低でも1種目は入れたいです。
余談ですが、筋力強化目的の種目がメインのパワーリフターやベンチプレッサーの方達は、筋肥大させることに重点を置いていなくても、凄い大胸筋や背中、脚をしていますよね?
高重量を持つことから逃げていては、それ相応の身体にしかならないでしょう。
パンプアップ目的の収縮種目やケーブル種目は効いている感があり、やりがいがあるかもしれませんが、それだけではダメです。
MASAKI
筋破壊(ストレッチ)
次にストレッチ時に負荷が強いストレッチ種目は、筋肉に直接的な物理的刺激を与えることができ、筋肥大効果が高いと言われています。
私自身も胸ならダンベルフライ、腕ならインクラインカールやフレンチプレスなど、ストレッチ種目をやり込んだおかげで成長した実感があります。
同じように「ストレッチ種目が最も筋肥大に貢献した」と言っている人は多いですよね?ここは疑う余地なく間違いないと思います。
ストレッチで筋破壊を狙った種目では8〜10回ほどの回数を狙い、ある程度の高重量は扱いつつ、広い可動域で動作します。
インターバルは種目にもよりますが1分半〜3分ほどで、十分に回復させつつ行いたいです。
ストレッチ種目は筋肉に強いストレスがかかり、筋損傷を引き起こし筋肉痛になりやすい特徴があるのですが、それに付随してストレッチ種目を1種目目に行う際は注意が必要です。
もちろん1種目目に行えば、より高重量を扱えますが、筋肉がまだしっかり温まっておらず部分的な筋断裂やひどい場合は完全に断裂するなど怪我のリスクがあります。
私自身も昔調子に乗ってダンベルフライをウォーミングアップなしで1種目目に行って大胸筋を部分断裂したことがあるので、ある程度経験を積んでいる方でも気をつけてもらいたいです。
強い刺激を与えられるからこそ怪我には十分注意して、トレーニング中盤〜後半で使用重量が落ちた段階で行うのも良いでしょう。
そして筋破壊を狙ったストレッチ種目のポイントとしては「広い可動域で動作すること」と「ストレッチ時に脱力しない」ことです。
筋トレでいうストレッチとは力を抜かずに負荷に耐えながら筋肉が伸ばされることを言います。
このストレッチを勘違いして、普通のストレッチや柔軟のように、脱力してでも筋肉を伸ばせば良いと思ってしまっている方がいます。
しかし、これは怪我の原因になりますので、絶対に脱力しないように注意してください。
MASAKI
パンプアップ(収縮)
最後にパンプアップ目的の収縮種目は、収縮時に負荷をかけたいため「マシン種目」かつ「短関節種目」が多いです。
例えば、胸ならペックフライ、腕ならマシンカールやケーブルカール、脚ならレッグエクステンションやレッグカールなどになります。
そして狙う回数としては12回〜20回で限界になる高回数です。
場合によっては刺激を変えるために、20回以上のセットを行うのも効果的です。
しかし、知っておいてもらいたいのは、高回数になればなるほど限界まで動作することや重量設定が難しいということです。
3回狙いの高重量ではどうやっても4回できないと思いますが、20回狙いの重量では21回や22回頑張れば動作できそうですよね?
これは重量設定が難しいのと、フォームが崩れて他の筋肉を動員するなどが原因と考えられます。
なので、一般的には高重量でのトレーニングの方が上級者向けと言われがちですが、しっかり1セットで限界まで追い込むことを考えた場合、低重量高回数の方がはるかに難しく非常にキツイです。
スクワットを5回狙いで行うのと、20回狙いで行うのではキツさが全く違います。
なので、低重量高回数だからといって、本当に限界まで動作する場合「楽なんてことは絶対にない」と覚えておいてください。
もし、余裕があって高重量停回数のトレーニングよりも楽に感じるのであれば、本当に全力を出せているか一度考えてみるのも良いかもしれません。
インターバルについては、40秒〜1分半ほどの完全に回復しない短いインターバルで動かし続け、パンプアップを促します。
そして、収縮種目は名前の通り、その種目の中での最大収縮まできっちり動作しなければなりません。
例えばペックフライでしっかりと肘を寄せ切れていなかったり、プレスダウンで肘を伸ばしきれていない、レッグエクステンションで膝を伸ばせていない。
これは重量が重すぎるという証拠です。
あくまでも最大収縮できて、12〜20回狙いの重量を選択して鍛えるようにしてください。
MASAKI
STEP③種目ごとのトレーニングテクニックを実践していく
・胸
・肩
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胸
まずは解剖学から
大胸筋はこのように、胸の中央から上腕骨にまとまって付着しています。
大胸筋の作用は次の通り。
・肩関節の水平内転
・肩関節の屈曲
・肩関節の内転
・肩関節の内旋
なんのこっちゃ分からなくても大丈夫です。
この中でも最も大胸筋を強く作用させる動きは、肩関節の水平内転、つまり、ベンチプレスやチェストプレスマシンのように、横に広げた腕を前に動かす動作です。
筋トレは、筋肉をよく伸ばし、よく収縮させる、そして負荷を与えることで刺激となり、筋肥大が引き起こされます。
MASAKI
解剖学をザックリでも理解しておくことで「こう動かせば、この筋肉が動くな」とイメージできるようになります。
大胸筋への刺激を高めるテクニック
次に大胸筋への刺激を高めるテクニックを網羅的に紹介していきます。
最初は意味が分からないかもしれませんし、全てのテクニックをいきなり取り入れるのは難しいはずなので、何度もこの記事を見返しながら1つずつトレーニングに取り入れてみてください。
①:頚反射
②:グリップ
③:握りの強弱
③:股関節
①:頚反射
頚反射は頭部がもたらす身体の反射特性です。
胸を鍛える場合は、顎を引くことで大胸筋の収縮感が強くなります。
反対に顎を上げればストレッチ感が強くなるのかというと、そんなことはなく、腹圧が抜ける(体幹が安定しなくなる)デメリットがあるので、基本的には顎は引いて動作することをオススメします。
②:グリップ
次にグリップは基本的にはサムアラウンドといって、親指までしっかり巻いて握ります。
一部サムレスグリップ(親指を外したグリップ)でも問題ない種目としては次の通り。
・インクラインベンチプレス
・スミスインクラインベンチプレス
・スミスベンチプレス
理由としては、サムレスグリップにすると、脇を閉じた動きを行いやすく、大胸筋上部の筋繊維走行に合わせて鍛えられるからです。
インクライン系の種目かつ、バランスを取れて安全性の高い種目でサムレスグリップを採用すると良いでしょう。
しかし、基本はサムアラウンドです。
③:握りの強弱
次に握りの強弱によっても、効きが変わってきます。
・ストレッチ時は握りを少し緩める
神経支配の関係から、収縮時に親指人差し指を強く握ることで、大胸筋を強く収縮できます。
試しに胸の前に腕を伸ばして行ってみてください。
反対に小指薬指側を強く握ると、胸ではなく上腕三頭筋が使われやすくなってしまいます。
次に、ストレッチ時は握りを少し緩めます。
ガチッと強く握ってしまうと、肘周りや肩周りを固めてしまい、大胸筋に負荷をのせながらストレッチさせずらくなるからです。
グリップを緩めると、肘と肩をスムーズに動かすことができます。
これも実際に試してもらえるとすぐに分かります。
何かに強く捕まって大胸筋をストレッチした場合と、強く握らずにストレッチした場合では、かなり感覚が違うはずです。
試してみてください。
④:股関節
股関節の状態によっても胸への刺激が変わります。
・股関節伸展=ストレッチ
まず、股関節屈曲とは、簡単に言うと座ったり、ベンチ台に足を上げている状態です。
股関節が屈曲していると、伸展している時と比べて大胸筋が収縮しやすくなります。
反対に股関節が伸展、立っている状態や、ベンチプレスで床に足を下ろしている状態では、屈曲している時と比べて大胸筋がストレッチしやすくなります。
上部
インクラインベンチプレス
①:胸を張り胸を上に突き出す
②:体のアーチを作る
③:手首を軽く立たせる
④:上腕を外旋させる
追加のテクニックは次の通り。
②:グリップ=サムアラウンドorサムレス
③:握りの強弱=強く握りすぎない
④:股関節=屈曲
インクラインベンチプレスも、通常のベンチプレスと同じように軽く顎を引き、強く握りすぎないように動作します。
異なる部分とすればサムレスグリップで動作しても、効かせやすいということです。
丁寧に鎖骨のすぐ下におろし、大胸筋上部のストレッチを感じたら、アーチを崩さないようにコントロールして持ち上げましょう。
インクラインダンベルプレス
①:胸を張ってアーチを作る
②:足を閉じる
③:ダンベルは常に肘の真上
④:トップでダンベルは寄せない
追加のテクニックは次の通り。
②:グリップ=サムアラウンド
③:握りの強弱=強く握りすぎない
④:股関節=屈曲
インクラインダンベルプレスは、左右自由にダンベルを動かすことができるので、若干脇を閉めて、大胸筋上部の筋繊維走行に合わせて効かせられます。
インクラインベンチプレスが苦手な人は、重量を落としてでもダンベルで動作することで効かせられる可能性が高いです。
インクラインダンベルフライ
①:オンザニーで始める
②:胸を張ってアーチを作る
③:ダンベルをハの字にする
④:肘を曲げてダンベルを下げる
⑤:トップでダンベルを合わせない
追加のテクニックは次の通り。
②:グリップ=サムアラウンド
③:握りの強弱=下ろす際にグリップを緩める
④:股関節=屈曲
インクラインダンベルフライは、インクラインダンベルプレスよりも若干シートの角度を高くしても効かせることができます。
完全に手のひらを向い合わせにするよりも、ダンベルをハの字で持ち、大胸筋上部をストレッチする軌道で下ろしていきます。
下ろす際にグリップを緩めることで、よりストレッチ感を強くできます。
ケーブルフライ(やや下から)
①:胸よりやや低い位置に設定する
②:斜め下から大胸筋上部の筋繊維に合わせて持ち上げる
③:収縮時には肘をしっかり寄せる
④:力を抜かずに下ろす
追加のテクニックは次の通り。
②:グリップ=サムアラウンド
③:握りの強弱=下ろす際にグリップを緩める
④:股関節=伸展
大胸筋上部は肩関節の屈曲動作と水平内転を組み合わせて鍛えますが、あくまでも強い力を発揮できるのは水平内転だということは忘れないでください。
よくほぼ真下から上に持ち上げて大胸筋上部を狙う方もいますが、これでは三角筋前部の働きがメインとなってしまいます(やり方次第ですが)
なので、インクラインダンベルプレスを行う時と同じ上腕の軌道で行うだけで十分上部は鍛えられます。
大胸筋中部
ベンチプレス
①:胸を張り肩甲骨を寄せる
②:体のアーチを作る
③:胸の最も高い位置に下ろす
④:バーは必ず胸まで下ろす
追加のテクニックは次の通り。
②:グリップ=サムアラウンド
③:握りの強弱=強く握りすぎない
④:股関節=基本は伸展(足を下ろす)
ベンチプレスは高重量を扱って、大胸筋の筋力を高められる種目です。
顎は軽く引きますが、頭はベンチにしっかりつけて、グリップはサムアラウンド、握りの強弱はそれほど意識しなくても大丈夫です(できれば強く握りすぎない方がいい)
そして、足は下ろして、動作中しっかりとアーチを維持できる体勢を作りましょう。
ダンベルベンチプレス
①:オンザニーで始める
②:胸を張ってアーチを作る
③:肘を軽く緩める
④:ダンベルは常に肘の真上
追加のテクニックは次の通り。
②:グリップ=サムアラウンド
③:握りの強弱=強く握りすぎず、収縮時に親指人差し指を強く握る
④:股関節=基本は伸展(足を下ろす)
ダンベルベンチプレスは、肘の真上にダンベルを保持して動作し、収縮時に親指人差し指を強く握って収縮感を強くします。
ベンチプレスが苦手な人でも、ダンベルベンチプレスを丁寧に行えば効かせられる可能性があるので試してみてください。
ダンベルフライ
①:オンザニーで始める
②:胸を張ってアーチを作る
③:足をベンチ台に上げる
④:腕を内旋させる
⑤:肘を曲げて下げる
⑥:トップでダンベルを合わせない
追加のテクニックは次の通り。
②:グリップ=サムアラウンド
③:握りの強弱=下ろす際にグリップを緩める
④:股関節=屈曲
ストレッチで刺激を与えたい種目なので、ダンベルを下ろす際はグリップを緩めつつ、若干小指薬指を強く握って、胸を大きく開くように下げていきます。
また、ベンチに足を上げて股関節屈曲状態で動作することで、大胸筋を動かしやすくなります。
チェストプレス
①:グリップが胸の真横にくるようにシートを設定する
②:胸を張ってアーチを作る
③:マシンの軌道に合わせて力を入れる
追加のテクニックは次の通り。
②:グリップ=サムアラウンド
③:握りの強弱=下ろす際にグリップを緩める
④:股関節=屈曲
チェストプレスはマシンのメーカーによって若干動きが異なりますが、大切な部分は同じです。
シートの高さの設定を間違えないように注意して、肘とグリップが常に胸の真横にくるようにしてください。
内側に絞り込める軌道のマシンの場合は、グリップを若干狭くしても、上腕三頭筋に負荷が逃げずに収縮させられます。
ペックフライ
①:グリップが胸の高さになるようにシートを合わせる
②:肘のくぼみを内側に向ける
③:寄せた際に親指人差し指を強く握る
④:顎を引く
追加のテクニックは次の通り。
②:グリップ=サムアラウンド
③:握りの強弱=収縮時に親指人差し指を強く握る
④:股関節=屈曲(シートが高ければ、何か置いて足を上げて屈曲状態を作る)
ペックフライとケーブルクロスオーバーの違いとしては、背もたれがあるかないかです。
背もたれがあるペックフライは、上体を安定させやすく、より収縮感を高められます。
グリップを握ったら、肘のくぼみを内側に向けて動作します。
収縮時に1〜2秒キープし、親指人差し指を強く握ると、より大胸筋を強く収縮できます。
また、ストレッチが目的の種目ではないので、肩甲骨が寄るほど深く戻す必要はありません。
ケーブルクロスオーバー
①:両足を揃えるorわずかに前後させる
②:上体の角度を変える
③:前腕とケーブルの向きを揃える
④:肘をしっかり寄せる
追加のテクニックは次の通り。
②:グリップ=サムアラウンド
③:握りの強弱=収縮時に親指人差し指を強く握る
④:股関節=基本は屈曲
収縮時に刺激を与えたい種目なので、顎を引き、収縮時に親指人差し指を強く握り動作します。
また、上体を立てて動作するよりも、股関節を屈曲させて、上体を前傾させた方が身体も安定し、高重量を扱うことができます。
大胸筋下部
デクラインベンチプレス
①:通常のベンチプレスよりも手幅をやや広げる
②:脇を広げてみぞおちの下に下ろす
③:脇を閉じるように上げる
追加のテクニックは次の通り。
②:グリップ=サムアラウンド
③:握りの強弱=下ろす際にグリップを緩める
④:股関節=伸展
動画ではセーフティーがありませんが、危険なので必ず設定してください。
大胸筋下部の筋肥大にデクラインベンチプレスは最適です。高重量を扱って下部の筋繊維に沿って動作を行えます。
若干慣れが必要な種目なので、まずは余裕のある重量から練習して徐々に増やしていきましょう。
ケーブルフライ(やや上から)
①:ケーブルを高い位置に設定する
②:ケーブルから離れすぎずに上体を立てて動作する
③:脇を広げて下部の筋繊維に合わせて脇を閉じる
④:力を抜かずにコントロールして下ろす
追加のテクニックは次の通り。
②:グリップ=サムアラウンド
③:握りの強弱=下ろす際にグリップを緩める
④:股関節=やや屈曲
通常のケーブルクロスオーバーよりも上体を立たせて、下部の筋繊維の走行に合わせて動作していきます。
重量が重すぎて前傾してしまうと、下部ではなく中部への刺激が強くなってしまうので、上体を立てて維持できる重量で行うことが大切です。
ディップス
①:サムアラウンドで握る
②:肩を下げ肩甲骨を寄せすぎない
③:脇を広げて下部繊維をストレッチさせる
④:肩に負担がかからない範囲で動作する
追加のテクニックは次の通り。
②:グリップ=サムアラウンド
③:握りの強弱=下ろす際にグリップを緩める
④:股関節=屈曲
ディップスで大胸筋下部を鍛えるのは非常に難しいですが、効かせられるようになれば、とても良い種目なので解説していきます。
自重で動作が難しい場合は、アシストのあるマシンを使用して行っても構いません。
股関節を屈曲して上体を軽く前傾したら、肩を下げて大胸筋下部に力を入れます。上体が立ち、脇を閉じすぎると上腕三頭筋や三角筋前部への刺激が強くなってしまうので、脇はやや開いて大胸筋下部の筋繊維に合わせて動作します。
また、肩に負担が強い種目なのと、それほど深く下げなくても大胸筋下部のストレッチは十分行えるので、負担がかかりすぎない範囲で動作してください。
メニュー例
大胸筋の基本的なメニュー例は次のような感じです。
1:ベンチプレス(ミッドレンジ)=6〜8回✖️3set
2:インクラインベンチプレス(ミッドレンジ)=6〜8回✖️3set
3:ダンベルフライ(ストレッチ)=8〜10回✖️3set
4:ペックフライ(収縮)=12〜15回✖️3set
これはあくまで一例です。
基本的にはミッドレンジ→ストレッチ→収縮の順番で種目を選択して頂ければ問題ありません。
肩
まずは解剖学を知ろう
肩の三角筋はこの画像のように、前部・中部・後部の3つに分けて考える必要があり、それぞれ筋肉が働く作用も異なります。
三角筋の作用は次の通り。
・三角筋前部の作用=肩関節の屈曲・内旋
・三角筋中部の作用=肩関節の外転
・三角筋後部の作用=肩関節の伸展・外旋
分からなくても大丈夫です。
それぞれ重要なポイントは各種目の説明で解説していきます。
解剖学をザックリでも理解しておくことで「こう動かせば、この筋肉が動くな」とイメージできるようになるので、筋肉が付着している2点を簡単にでも頭に入れておきましょう。
三角筋への刺激を高めるテクニック
次に三角筋への刺激を高めるテクニックを網羅的に紹介していきます。
最初は意味が分からないかもしれませんし、全てのテクニックをいきなり取り入れるのは難しいはずなので、何度もこのプログラムを見返しながら1つずつトレーニングに取り入れてみてください。
①:肩甲骨
②:グリップ
③:握りの強弱
③:肋骨
①:肩甲骨
・ショルダープレス=肩甲骨を固定
・リアレイズ=肩甲骨を開く
三角筋を鍛える上で、肩甲骨のコントロールは非常に大切です。
肩甲骨を自由にコントロールできなければ、三角筋ではなく僧帽筋上部や中部に効いてしまいやすくなります。
まず、サイドレイズでは僧帽筋上部に効かないように、肩甲骨を固定して肩を下げた状態で、肩甲骨面で動作します(サイドレイズの種目解説で詳しく紹介します)
こうすることで、怪我を防ぎつつ、僧帽筋上部の関与を抑えて三角筋中部を刺激できます。
次に、ショルダープレスでは下げたボトムポジションで肩甲骨が寄ってしまうと、負荷が僧帽筋上部に逃げてしまうので、肩甲骨を固定させて、動作範囲を限定させることが大切です。
リアレイズでは肩甲骨を開いたまま動作して、肩甲骨が寄ることで働く僧帽筋中部の関与を抑えることができます。
このように肩甲骨をコントロールできるようになれば、三角筋前部・中部・後部全てに効かせられるようになります。
②:グリップ
・レイズ種目=サムアラウンド
次にグリップは基本的にはサムアラウンドです。
一部、手幅を狭くしたスミスフロントプレスなどでは、肘をしっかり閉じるためにサムレスグリップで行います。
また、サイドレイズではサムアラウンドで握り、手首には力を入れないようにするのがポイントです。
手首の力を抜くことで、肘をしっかり持ち上げやすくなります。
③:握りの強弱
次に握りの強弱によっても、効きが変わってきます。
・サイドレイズ=トップで握りこむ
プレス種目で強く握りすぎてしまうと、上腕三頭筋の関与が大きくなるので、基本的には強く握りすぎずに動作します。
しかし、一部の軌道が安定しているマシンプレス種目では、押し込むポジティブ動作時に、親指人差し指を強く握ることで三角筋前部の収縮感を強くできます。
次に、サイドレイズでは中指薬指を中心に持つようにして、持ち上げたトップポジションで握りこみます。
こうすることで、最も負荷がかかるポジションで三角筋中部を強く収縮できます。
反動で上に放り投げるように持ち上げてしまうと、全く効きませんので、サイドレイズで効かせることに慣れるまでは、トップで一度動作を止めるように握り込んでみてください。
④:肋骨
股関節の状態によっても三角筋への刺激が変わります。
特に関係するのは三角筋中部です。
息を吐き、腹筋に力を入れて、肋骨を締めた状態でサイドレイズを行うと、肩が上がってしまうことなく、効かせることができます。
反対に、息を吸って肋骨を広げるようにサイドレイズを行ってみてください。
肩が上がりやすく効かないはずです。
マシンリアレイズやダンベルリアレイズでも同様です。
基本的には肋骨をわざと開いて動作する種目はありません。
三角筋前部
バーベルショルダープレス
①:シートの角度を少し倒す
②:腰を反らないように足を閉じる
③:胸を張りすぎないようにする
④:鼻先まで下ろす(深く下ろしすぎない)
追加のテクニックは次の通り。
②:グリップ=サムアラウンド
③:握りの強弱=強く握りすぎない
④:肋骨=閉じる
スミスマシンで行うのもありですが、三角筋の筋力強化種目として、バーベルでのショルダープレスは是非とも行いたいです。
スミスマシンでフォームが安定してきたら、バーベルに挑戦します。
頭の後ろに下ろすバックプレスも効果的ですが、人によっては肩関節に痛みが生じる可能性があるので、肩に優しく高重量を扱いやすいフロントプレスがおすすめです。
身体が反りすぎないように注意して動作してください(高重量を扱いたい種目なので、完全に上体を立てなくても強い力を発揮できる角度でOK)
ダンベルショルダープレス
①:シートの角度を少し倒す
②:腰を反らないように足を閉じる
③:胸を張りすぎないようにする
④:肘は少しだけ前方で動かす
⑤:肘の真上でダンベルをコントロールする
追加のテクニックは次の通り。
②:グリップ=サムアラウンド
③:握りの強弱=強く握りすぎない
④:肋骨=閉じる
ダンベルショルダープレスは、ミリタリープレスやスミスフロントプレスと異なり、左右独立して動かすことができるので、より三角筋前部だけを使うフォームで行えます。
肩甲骨を固定して動作し、ダンベルは顔の横より下までおろさないようにします。
もし「フルレンジで動作するのが大切」という理由で、ダンベルが肩に当たるまで下げている場合は要注意です。
確かに動作範囲は広くなりますが、ボトムで肩甲骨が寄ってしまい、再度持ち上げる際に、寄った肩甲骨を戻す力が働き、僧帽筋上部に刺激が逃げてしまいます。
また、胸を張って高重量を扱いたくなりやすい種目なので、なるべく足幅を閉じて腹筋に力を入れ、大胸筋上部の関与を抑えて動作しましょう。
フロントレイズ
①:胸を張らずに肩を前に出す
②:上体を軽く前傾させる
③:肘のくぼみを上に向ける
追加のテクニックは次の通り。
②:グリップ=サムアラウンド
③:握りの強弱=トップで親指人差し指を強く握る
④:肋骨=閉じる
肩甲骨を少しだけ開いて、肩を前に出すことで、大胸筋上部の関与を抑えて動作できます。
さらに、トップポジションで親指と人差し指を強く握ることで、三角筋前部を強く収縮させられます。
ダンベルフロントレイズでも、肋骨を閉じることで肩を下げて動作できるので試してみてください。
三角筋中部
サイドレイズ
①:広背筋に力を入れて軽く横に持ち上げる
②:手首の力を抜く
③:上体を軽く前傾させる
④:30°ほど前方に持ち上げる
⑤:肘のくぼみを正面に向ける
⑥:肘は伸ばしきらずに緩める
追加のテクニックは次の通り。
②:グリップ=サムアラウンド(手首を緩める)
③:握りの強弱=強く握りすぎない(トップで握る)
④:肋骨=閉じる
サイドレイズは効く人と効かない人が大きく分かれる種目の一つですが、上記の6つのポイントを守って動作すれば、かなりの確率で効かせられるようになります。
また、息を吐き、肋骨を閉じることで、肩甲骨が固定され、より三角筋中部だけを刺激できます。
解説している通り、手首には力を入れず、ダンベルを吊るすように持ち、グリップはトップで握りこむようにします。
最初は上手く効かせられなくても、何度も練習してフォームを固めれば必ずできるようになるので頑張ってみてください。
インクラインサイドレイズ
①:シートは45〜60°
②:肘を軽く曲げる
③:動作する側の腹斜筋を締める
④:完全に上がらなくても動作を続ける
追加のテクニックは次の通り。
②:グリップ=サムアラウンド
③:握りの強弱=強く握りすぎない(トップで握る)
④:肋骨=閉じる
インクラインサイドレイズは三角筋中部にストレッチ刺激を与えられる良い種目です。
片側づつ動作するので、集中的に効かせられるのも良いポイントです。
肩甲骨を固定させて、腹筋に力を入れて肋骨を締めたら、肘を軽く曲げて動作します。
脇の角度が90°になるまで持ち上げたら、それ以上持ち上げる必要はありません。
そして、完全に持ち上げられなくなっても動かなくなるまで動作を続けることも大切です。
なぜなら、ストレッチポジションで最も負荷がかかる種目なので、完全に持ち上げられなくても十分効かせられるからです。
重量にこだわる必要はないので、動画の動作テンポを参考に試してみてください。
ワンハンドサイドレイズ
①:動作しない側の手をベンチに置く
②:動作する側の足に重心を乗せる
③:負荷を乗せてから動作を始める
④:トップでグリップを握りこむ
追加のテクニックは次の通り。
②:グリップ=サムアラウンド
③:握りの強弱=強く握りすぎない(トップで握る)
④:肋骨=閉じる
紹介する中では少し難しい種目ですが、高重量を扱いやすく片方づつ集中して鍛えることができます。
動作する側の足に体重を乗せることで、通常のサイドレイズと比べて重心の位置が動作する側の肩に移ります。
こうなることで、高重量でも肩が上がらずに動作できるようになります。
グリップはトップで握りこむようにして、1回1回動作を区切って、負荷を乗せてからスタートしましょう。
ケーブルサイドレイズ
①:ケーブルを身体の後ろから通して持つ
②:動作する側に体をやや傾ける
③:手首の力を抜いて肘から持ち上げる
④:トップでグリップを握りこむ
追加のテクニックは次の通り。
②:グリップ=サムアラウンド
③:握りの強弱=強く握りすぎない(トップで握る)
④:肋骨=閉じる
この角度で行うことで、ストレッチ時でも刺激を与えられます。
ケーブルのサイドレイズで反動を使ってしまうと負荷が抜けやすいので、じわじわと負荷をかけるように動作します。
手首に力が入って手首が反ってしまうと、肘ではなく手が先行して上がってしまうので、手首の力を抜いて動作してください。
アップライトロウ
①:持ち上げた際に肘の角度が90度になる手幅で持つ
②:上腕をサイドレイズと同じ軌道で動かす
③:負荷を乗せてから動作を始める
④:トップでグリップを握りこむ
追加のテクニックは次の通り。
②:グリップ=サムアラウンド
③:握りの強弱=強く握りすぎない(トップで握る)
④:肋骨=閉じる
アップライトロウは高重量を扱ったチーティングサイドレイズのように、上腕をサイドレイズと同じ軌道で動かします。
バーを顎付近に持ち上げてしまうと、肘を後ろに引いた動作になり、肩の負担が強くなります。
なので、動画のようにバーは身体から離して前方に持ち上げて、手首の力を抜きつつ、トップでグリップは握り込みます。
初動で軽く肘を横に持ち上げてから動作を始めれば、高重量でチーティングを使っても効かせられます。
三角筋後部
ダンベルリアレイズ
①:上体を前傾させる
②:肩甲骨を開いたまま動作する
③:肘を持ち上げる
④:小指薬指を強く握る
追加のテクニックは次の通り。
②:グリップ=サムアラウンド
③:握りの強弱=強く握りすぎない(小指薬指を強く握る)
④:肋骨=閉じる
ダンベルリアレイズはコツさえ掴めば、この1種目で三角筋後部をしっかり鍛えられる良い種目です。
ダンベルを持って前傾したら、肩甲骨を開いた状態で肘を持ち上げます。
この際に肩甲骨が寄ってしまうと、僧帽筋中部に効いてしまうので、ダンベルの重さで自然に肩甲骨が開くようにするのがポイントです。
また、神経支配の関係から、小指薬指を強く握って動作すると、より三角筋後部を刺激できます。
マシンリアレイズ
①:グリップと肩の高さを同じにする
②:浅く座って上体を前傾させる
③:手首をまっすぐに持つ
④:上腕を内旋させる
追加のテクニックは次の通り。
②:グリップ=サムアップグリップ
③:握りの強弱=強く握りすぎない
④:肋骨=閉じる
マシンリアレイズもダンベルリアレイズと同様に、肩甲骨を開いた状態で動作します。
また、僧帽筋中部と三角筋後部の筋繊維の走行をズラすために、上体を前傾させて動作します。
難しいかもしれませんが、上体を前傾させることで僧帽筋中部が働きづらくなります。
握り方はサムアップグリップで、親指だけグリップの端に合わせて持ちます。
ライイングリアレイズ
①:フラットベンチに横になり動作しない腕を床につく
②:肘を肩の高さまで持ち上げて動作する
③:小指が天井を向く状態でストレッチさせる
追加のテクニックは次の通り。
②:グリップ=サムアラウンドグリップ
③:握りの強弱=強く握りすぎない
④:肋骨=閉じる
三角筋後部のストレッチ種目です。
三角筋後部をストレッチさせるためには、肩甲骨を固定した状態で腕を下ろす必要があるので、ストレッチ時に肩甲骨を広げてはいけません。
グリップを強く握らず緩めてストレッチさせていき、負荷が完全に抜けないところまで持ち上げます。
動作範囲が狭くなりがちな種目なので、大きく動かすようにしてください。
メニュー例
最後に三角筋の基本的なメニュー例は次のような感じです。
1:スミスフロントプレス=8〜10回✖️3set
2:ダンベルサイドレイズ=10〜15回✖️3set
3:インクラインサイドレイズ=8〜10回✖️3set
4:ダンベルリアレイズ=10〜15回✖️3set
これはあくまで一例です。
基本的には前半に三角筋前部を鍛えて、その後は肥大させたい部位から優先的に行うようにします。
私の場合は上記のメニューが基本になりますが、後部を強化したい時は前部を行った後に後部を行い、最後に中部としています。
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STEP④目的や環境に合わせてプログラムをアレンジしていく
MASAKI
トレーニングプログラムを決めるために必要な要素
効果的な頻度とボリュームについて
ケーススタディ&テクニック
各トレーニング頻度別の効果的なプログラム例
トレーニングプログラムを決めるために必要な要素
トレーニングプログラムを決めるために必要な要素は以下の7つです。
①継続できる内容
②トレーニングに確保できる頻度
③1回のトレーニングで確保できる時間
④各部位の回復にかかる時間
⑤各部位のPOFと種目の目的
⑥使用重量について
⑦苦手種目と得意種目を分析しフォーム修正&変更する
MASAKI
①継続できる内容
「1日2時間以上のトレーニング」「週7日休みなし」というトレーニングで継続できる人は問題ありませんが、普通の社会人の方にとっては難しいですよね?
筋トレでも食事管理でも言えることですが、どんなに良いプログラムをどんなに全力で鍛えたとしても継続できなければ意味がありません。
1〜2ヶ月のトレーニングで見違えるように急に筋肉が増えるかというと、決してそんなことはなく、半年1年と継続していく必要があります。
プログラムを作成する際は、必ず現実的に継続できる内容であるかをよく考えておくことが大切です。
もちろんハードなプログラムで多少身体に鞭打って取り組む時期も大切ですが、それ以上に継続することの方がはるかに大切なんです。
そのためにも、ボディビルダーのトレーニングをそのまま真似したり、自分と目的も環境も違う人のプログラムをむやみに取り入れたりはせず、以下残りの6つの要素を考えて継続できる内容で作成してください。
②トレーニングに確保できる頻度
まず最初に考えるべきは、当然あなたがトレーニングに確保できる頻度です。
仕事や家事、育児の都合など確保できる頻度は人によって全く変わってくるので、自分の頻度に合わせて全身法や分割法などを決めなくてはなりません。
例えば、週7日トレーニングできる人と週1回しか確保できない人では、当然分割法は全く変わりますよね?
週に確保できる頻度別の効果的なメニュー例は、このSTEP④の後半で解説しております。
「最適な頻度は何回ですか?」と疑問が浮かぶと思いますが、結論最適な頻度は人によって完全に異なります。
頻度を増やしても回復でき筋肉が大きくならなければ意味がありませんし、少ない頻度でも大きくなれば良いのです。
ただし、一つ言えることは、確保できる頻度は多いにこしたことはないことです。
週1回よりも2回、2回よりも3回の方がトレーニングの選択肢が増え、やれることが多くなり成長のチャンスが生まれます。
頻度が多くなればそれだけフォームやテクニックの上達も早くなります。
なので、これから本気で身体を変えていきたい場合は、トレーニングの優先順位を上げて最大限確保できる頻度で取り組むのが良いと思います。
MASAKI
③1回のトレーニングで確保できる時間
頻度を決めることができたら、次に1回のトレーニングで確保できる時間を考えましょう。
ジムに行く人なら、行き帰りの移動時間やウォーミングアップの時間、最後のセットが終わって自宅に着くまでの時間を考えて、どのくらい時間をかけられるか想定しておきましょう。
1回1時間確保できる人と2時間確保できる人では、行える種目数やセット数が変わってきて、プログラムの内容もガラッと変わります。
さらに頻度が少なく、週に1〜2回しか確保できない人は、限られた時間の中で目的を達成するために貢献する種目を選択する必要があります。
トレーニング時間を決める際に「1回のトレーニング時間が90分を超えると筋肉が分解しちゃうんでしょ?」という疑問が浮かぶはずです。
その通り、数多くの研究で90分以上のトレーニングでは筋肉を分解する働きのコルチゾルというホルモンの分泌が増加することは分かっています
しかし、ここで知っておいてもらいたいのは、人間の体は常に筋肉の合成と分解を行っており、合成>分解になれば筋肉が増えていき、合成<分解になれば筋肉は減っていくということです。
常にシーソーのように合成と分解が行われています。
何が言いたいかというと、例え分解の働きが増加したとしても、合成の方に傾いていれば良いと言うことです。
というか、筋肉の成長に繋がる刺激を与えられていない状態で、コルチゾルの分泌だけを気にしすぎて、肝心な合成を得られていないんじゃ意味がないんです。
何もただダラダラ長い時間鍛えましょうという話ではありませんよ。
できる限り質の高いトレーニングを行い、少ないセット、短いトレーニング時間で筋肥大できるのが理想です。
しかし、筋トレを始めたばかりの初心者や、限界まで力を出し切ることができない人が、コルチゾルの分泌だけを気にして1時間で切り上げていては本末転倒です。
それで成長しているなら何も問題ありません。
しかし、多くの人はシンプルにボリュームが少なすぎる、余力がありすぎる、トレーニングの質が低すぎることが原因で成長していないと強く感じます。
短い時間で質の高いトレーニングを行い筋肥大できるのは超上級者に限った話と覚えておきましょう(私も無理です)
超天才的な記憶力、頭脳を持っている人が東大受験に1日1時間しか勉強していなかったという話を聞いて、あなたが同じように1日1時間で東大に受かる自信はありますか?
同じ1時間でも質がまるきっり違うから、初心者が到底真似できるものじゃないんです。
「じゃあ一体何時間やればいいんだよ!」と言う声が聞こえてきたので、私の考えを話すと、
継続できる内容という前提で、あなたが確保できる時間の範囲で集中力を保てる最大時間鍛えてみることです。
少なく少なく、量を減らす方向で考えるのは楽ですし簡単ですよね?
しかし、それは自分がどれくらいの量で成長し、どのくらいの量で回復が追いつかなくなるのか?、どのくらいの量が継続が困難になるのか?など、まずはボリュームを最大限確保する方向で考えてからで遅くはありません。
トレーニングは90分以内で終わらすことが最優先ではなく
筋肉の成長に繋がる刺激を与えられているか?成長しているか?が最優先です。
④各部位の回復にかかる時間
頻度と時間を考えたら、次に各部位の回復にかかる時間を考えましょう。
これは実際にトレーニングしてみないと分からない部分なので、後から何度も見直す要素です。
というのも、トレーニング強度が上がっていったり、ボリュームが増えていけば、同じ頻度では回復が追いつかなくなる可能性があるからです。
常に今のプログラムで回復が十分に行われているかは忘れてはいけません。
回復の基準としては、前回よりも重量や回数を向上でき、強度の高いトレーニングを行える状態です。
しかし、筋肉痛や筋疲労が残っている場合は無理をせずに回復に時間をかけることをオススメします。
筋肉痛にも痛みのレベルがあると思いますが、筋肉を動かして痛い、触ると痛い場合は休むべきでしょう。
そして、回復にかかる時間は48〜72時間ほど必要と言われていますが、部位によって変わりますし、トレーニング内容、人によっても大きく変わります。
なので、48〜72時間はあくまでも目安として、しっかりハードにトレーニングした場合に、自分は各部位完全に回復するまでどのくらいの時間がかかるのかを把握しましょう。
その上で各部位回復できる頻度と分割法でプログラムを再調整していきます。
⑤各部位のPOFと種目の目的
ここからは実際にプログラムを作成していきますが、基本的には王道中の王道、POFで各部位の種目を選択するのが良いでしょう。
全身法や分割法によって1部位に行える種目数が異なるとは思いますので、参考としては以下の通り
1部位2種目=ミッドレンジ&ストレッチ
1部位3種目=ミッドレンジ&ストレッチ&コントラクト
やはり筋肥大効果の高い物理的刺激をメインとして、筋力向上のミッドレンジ種目、そして3種目できる場合はコントラクト種目まで行うという形がセオリーです(※必ずこうでなければいけない訳ではありません)
特に筋トレ初心者でまだ筋力が低い場合は、なるべく筋力向上のミッドレンジ種目を入れたいところです(コントラクト種目で筋肉の収縮感を覚えるのもありです)
そして、週5回以上鍛えて、1部位に5種目や6種目行えるという場合は以下のような構成が考えられます。
①ミッドレンジ(ベンチプレス)
②ミッドレンジ(インクラインベンチプレス)
③ストレッチ(ダンベルフライ)
④ストレッチ(インクラインダンベルフライ)
⑤コントラクト(ケーブルクロスオーバー)
⑥コントラクト(ペックフライ)
「トレーニング種目の目的・POFトレーニング」で説明した通り、目的ごとにどんな考えで鍛えれば良いのか?どんなインターバルで行うのが良いのか?注意点などを改めて確認してみてください。
⑥使用重量について
確保できる時間と頻度からPOFでプログラムを作成したら、次に使用重量を考えていきます。
使用重量は目標回数によって決めます。
上の画像の通り、それぞれ目標回数に範囲を持たせて設定し、インターバルも回数に合わせて決めてください。
そして実際にトレーニングを行ったら、毎回必ず記録を取ります。
最初は重量設定にミスがあっても全く気にする必要はありません。
記録をつけ続けていれば、
各種目の最適な重量設定が自然と分かるようになっていきます。
⑦苦手種目と得意種目を分析しフォーム修正&変更する
最後に作成したプログラムを実行していく上で分かった苦手種目と得意種目を分析し、フォームを修正&変更していきます。
何も一度作成したプログラムをいきなり3ヶ月続けなければならない訳ではありません。
もちろん全ての種目がいきなり上手く効かせられる訳ではないので、必ず練習は必要ですが、人によって苦手種目や得意種目が存在します。
この最後の7つ目の要素はSTEP⑤の「フォームを何度もチェック&修正しながら自分の骨格に合わせて質を追求していく」部分です。
苦手な種目、得意な種目には必ず理由があります。
その理由が動かし方の癖なのか?骨格上の問題なのか?どうフォームを修正すれば良いのかを考えていかなければなりません。
STEP③の種目ごとのテクニックを実践していけば、今よりも確実に効かせられるようになりますが、それでもフォームの修正は必須です。
詳しくはSTEP⑤で説明している手順でフォームを修正してください。
効果的な頻度とボリュームについて
中途半端な気持ちで行う、低強度な5セットよりも自分の限界を超えるつもりで行う強度の高い1セットの方が効果的
ここまで筋トレ初心者はボリュームを増やす方向でまずは考え、量をこなしながら質を向上させよう!という考えを説明しました。
しかし、同時に知っておかなければならないのは
【ジャンクボリューム】です。
筋肥大を効率的に起こすためには、最低でも各部位週に6〜10セットの限界を超える強度が必要と言われています。
と言われてもよく分からないと思いますので、イメージとしては100mダッシュとマラソンです。
100m走でベストタイムを出すほどの全力疾走なら良いですが、マラソンのように100m以降も走るつもりで余力を残して鍛えるセットに意味はありません。
ただセット数を増やすことが目的だったり、長い時間のトレーニングに自己満足を感じているだけでジャンクボリュームと考えて良いです。
ただ疲労を重ねて回復時間を長くしてしまっているだけで、筋肥大に貢献するセットではないってことです。
なので考え方としてはジャンクボリュームではなく質の高いセットを最低でも各部位週に6〜10セット行い、
確保できる時間に合わせて最大限増やせる範囲で増やすのが良いでしょう。
ケーススタディ&テクニック
このプログラムを進めていく中で必要なケーススタディとテクニックをご紹介します。
ディロード
バックオフセット
レストポーズ法
ドロップセット
ディロード
ディロードとは、一定期間重量やセット数、レップ数を減らしたり、トレーニングをオフにして、神経系や関節の疲労、精神的な疲労を回復するためのテクニックです。
ディロードを取り入れるタイミングは以下の通り。
・疲労が蓄積してトレーニングのやる気が出ない人
・ダイエットを長期間行って停滞した人
・関節や腱の疲労が蓄積している人
これ以外の人がディロードを行う必要はありません。
順調に成長しているタイミングでディロードを行うのは成長のチャンスを無駄にすることになるので、見極めは難しい部分ですが本当に休む必要があるかよく考えて行いましょう。
そして、ディロードを行うと決めたら、中途半端にではなくしっかり強度を下げ休ませます。
完全に1週間オフをとるのもアリですし、セット数を減らす、重量を通常の50%〜60%まで下げる、余力を残して鍛えるなど、とにかく神経系や筋肉・関節に負担をかけすぎないトレーニングを行います。
常に限界まで追い込むハードなトレーニングを継続してきた人がディロードを取り入れると、その後大きく成長できる可能性があります。
中上級者ほど必要なテクニックです。
バックオフセット
バックオフセットとは、メインセットを行った後に重量を落としてよりコントロールした動作に重きをおいて行うセットです。
重量を落とすと言っても、手を抜いたセットではありません。
メインセットと同じように限界まで動作して目標回数を達成できる重量を選択します。
メインセットで扱った重量よりは軽くなることで、コントロールした動作を行えるようになり、最後のバックオフセットで余力を使い果たすつもりで出し切ります。
以下で紹介しているプログラム例ではバックオフセットを多くの種目で取り入れているので、ぜひ試してみてください。
レストポーズ法
レストポーズ法は、限界まで動作したセットが終了した後に、10秒〜15秒ほどショートインターバルをとり、再度限界まで行う方法です。
例えば、100kgのベンチプレスで8回限界まで動作した後に、10〜15秒休み、再び2回動作するという感じです(レストポーズ後に行える回数は種目によって大きく異なります)
重量を下げるドロップセットと比べて、重量を落とさずに行うので、トータルボリュームを増やしやすい特徴があります。
多関節種目やフォームが安定しやすい種目で取り入れるのが効果的です。
プログラムでレストポーズ法を行う場合は、全て最終セットに行います。
ドロップセット
ドロップセットは、限界まで動作した後に、すぐに重量を20%ほど減らし、再度限界まで行う方法です。
1回ドロップの場合は、限界から1段階下げて終了。
2回ドロップの場合は、限界から2段階下げて終了となります。
2回ドロップの場合は、100kg10回→80kg8回→60kg8回という感じです。
ドロップセットもレストポーズ同様に種目の最終セットで行い、マシン種目かつ収縮種目で取り入れるのが効果的です。
各トレーニング頻度別の効果的なプログラム例
MASAKI
このプログラムはあくまでも頻度別の一例になりますので、これまで説明した7つの要素や目的別にアレンジしてください。
また、腹筋についてはプログラムに含んでいないので、余裕があるタイミングで行いましょう(他の部位に悪影響が及ばないように必ずトレーニングの最後に行います)
メニューでは用語を省略して記載しておりますので、以下を参考にしてください。
BS=バックオフセット
RP=レストポーズ法
DS=ドロップセット
ワンハンドやワンレッグ種目はインターバルなしで交互に行います。
週1回
①全身
②OFF
③OFF
④OFF
⑤OFF
⑥OFF
⑦OFF
週1回しかトレーニングできない場合は、必然的に1度に全身鍛える全身法で行います。
1部位を週1回しか鍛えられないので、なるべく多くの筋繊維を動員したいので、多関節種目を中心に構成しています。
2:ベンチプレスorスミスマシンベンチプレス 6〜10回×2セット BS 8〜12回×1セット
3:チンニング 6〜10回×2セット BS 8〜12回×1セット (10回以上行える場合は加重し、自重で目標回数難しければアシストチンイングもしくはチューブを活用して行います)
4:ダンベルサイドレイズ 10〜15回×2セット DS 6〜10回×2回
5:インクラインダンベルカール 8〜10回×3セット
6:ローププレスダウン 8〜10回×3セット
7:シーテッドorライイングレッグカール 8〜10回×3セット
8:スタンディングorシーテッドカーフレイズ 15〜20回×3セット
トータル24セットで、1時間〜1時間半、インターバルを長くとって重量を落とさず鍛えた場合は2時間前後で終了する予想です。
週2回
①全身A(胸・背中・カーフメイン)
②OFF
③OFF
④OFF
⑤全身B(肩・腕・脚メイン)
⑥OFF
⑦OFF
週2回の場合は上半身と下半身に分けても良いですが、胸・背中・肩・腕全てを1日で鍛えるとあまり効率的ではないので、肩と腕は脚と同じ日に行います。
この構成であれば、疲労が偏ることなく鍛えられます。
2:インクラインダンベルプレスorスミスインクラインプレス 6〜10回×2セット BS 8〜12回×1セット
3:ペックフライorケーブルクロスオーバー 10〜12回×3セット DS 6〜10回×2回
4:チンニング 6〜10回×2セット BS 8〜12回×1セット (10回以上行える場合は加重し、自重で目標回数難しければアシストチンイングもしくはチューブを活用して行います)
5:ダンベルロウイング 6〜10回×2セット BS 8〜12回×1セット
6:リバースグリップラットプルダウン 10〜12回×3セット DS 6〜10回×2回
7:ダンベルorバーベルシュラッグ 8〜10回×3セット
8:スタンディングorシーテッドカーフレイズ 15〜20回×3セット
2:ダンベルサイドレイズ 10〜15回×2セット DS 6〜10回×2回
3:マシンリアレイズ 10〜12回×2セット DS 6〜10回×1回
4:EZバーカールorバーベルカール 8〜12回×2セット BS 12〜15回×1セット
5:インクラインダンベルカール 8〜10回×3セット
6:EZバーライイングエクステンション 8〜12回×2セット BS 12〜15回×1セット
7:ダンベルフレンチプレス 8〜12回×2セット BS 12〜15回×1セット
8:スクワットorスミスマシンスクワット 6〜10回×2セット BS 8〜12回×1セット
9:シーテッドorライイングレッグカール 8〜10回×3セット
どちらも1時間〜1時間半、インターバルを長くとって重量を落とさず鍛えた場合は2時間前後で終了する予想です。
週3回
①プッシュ(胸・肩前中・三頭)
②OFF
③プル(背中・肩後・二頭)
④OFF
⑤OFF
⑥下半身
⑦OFF
週3回鍛えられる方は、王道のプッシュ・プル・下半身の3分割で鍛えます。
2:ダンベルフライ 6〜10回×2セット BS 8〜12回×1セット
3:ペックフライorケーブルクロスオーバー 10〜12回×3セット DS 6〜10回×2回
4:ダンベルショルダープレス 8〜10回×2セット BS 10〜12回×1セット
5:ダンベルサイドレイズ 10〜15回×2セット DS 6〜10回×2回
6:EZバーライイングエクステンション 8〜12回×2セット BS 12〜15回×1セット
7:ダンベルフレンチプレス 8〜12回×2セット BS 12〜15回×1セット
2:ダンベルロウイング 6〜10回×2セット BS 8〜12回×1セット
3:リバースグリップラットプルダウン 10〜12回×3セット DS 6〜10回×2回
4:ダンベルorバーベルシュラッグ 8〜10回×3セット
5:マシンリアレイズ 10〜12回×2セット DS 6〜10回×1回
6:EZバーカールorバーベルカール 8〜12回×2セット BS 12〜15回×1セット
7:インクラインダンベルカール 8〜10回×3セット
2:45度レッグプレス 6〜10回×2セット BS 8〜12回×1セット RP×2回
3:レッグエクステンション 12〜15回×3セット DS 6〜10回×1回
4:スティフレッグデットリフト 6〜10回×2セット BS 8〜12回×1セット
5:シーテッドorライイングレッグカール 8〜10回×3セット
6:アウターサイ:10〜12回×3セット
7:スタンディングorシーテッドカーフレイズ 15〜20回×3セット
どれも1時間〜1時間半、インターバルを長くとって重量を落とさず鍛えた場合は2時間前後で終了する予想です。
週4回
①胸
②OFF
③背中
④OFF
⑤肩・腕
⑥下半身
⑦OFF
週4回鍛えられる方は、上半身を3つに分けて下半身を含めた4分割がオススメです。
2:インクラインダンベルプレスorスミスインクラインプレス 6〜10回×3セット BS 8〜12回×1セット
3:ダンベルフライ 6〜10回×3セット BS 8〜12回×1セット
4:ディップス 6〜10回×2セット BS 8〜12回×1セット
5:ペックフライ10〜12回×3セット DS 6〜10回×2回
6:ケーブルクロスオーバー下部狙い 10〜12回×3セット DS 6〜10回×2回
2:ダンベルロウイング 6〜10回×3セット BS 8〜12回×1セット
3:ロープーリー 6〜10回×3セット BS 8〜12回×1セット
4:リバースグリップラットプルダウン 10〜12回×3セット DS 6〜10回×2回
5:ケーブルプルオーバー 12〜15回×3セット
6:ダンベルorバーベルシュラッグ 8〜10回×3セット
2:ダンベルサイドレイズ 10〜15回×2セット DS 6〜10回×2回
3:インクラインサイドレイズ 8〜10回×2セット BS 10〜12回×1セット
4:ケーブルワンハンドサイドレイズ 10〜15回×2セット
5:マシンリアレイズ 10〜12回×2セット DS 6〜10回×1回
6:EZバーカールorバーベルカール 8〜12回×2セット BS 12〜15回×1セット
7:インクラインダンベルカール 8〜10回×3セット
8:EZバーライイングエクステンション 8〜12回×2セット BS 12〜15回×1セット
9:ダンベルフレンチプレス 8〜12回×2セット BS 12〜15回×1セット
2:45度レッグプレス 6〜10回×2セット BS 8〜12回×1セット RP×2回
3:レッグエクステンション 12〜15回×3セット DS 6〜10回×1回
4:スティフレッグデットリフト 6〜10回×2セット BS 8〜12回×1セット
5:シーテッドorライイングレッグカール 8〜10回×3セット
6:アウターサイ:10〜12回×3セット
7:スタンディングorシーテッドカーフレイズ 15〜20回×3セット
どれも1時間〜1時間半、インターバルを長くとって重量を落とさず鍛えた場合は2時間前後で終了する予想です。
週5回以上
①プッシュA(胸・肩前中・三頭)
②プルA(背中・肩後・二頭)
③下半身A(四頭・カーフメイン)
④OFF
⑤プッシュB(胸・肩前中・三頭)
⑥プルB(背中・肩後・二頭)
⑦下半身B(ハム・カーフメイン)
⑧OFF
週5回以上鍛えられる方は、プッシュ・プル・下半身の3分割を週2回の頻度で行い、それぞれAとBで内容を変えて疲労が蓄積されすぎないようにします。
プッシュAでは大胸筋中部下部
プッシュBでは大胸筋上部
プルAでは広背筋
プルBでは僧帽筋
下半身Aでは大腿四頭筋とカーフ
下半身Bではハムストリングスと大臀筋
というように鍛え分けています。
2:ダンベルフライ 6〜10回×3セット BS 8〜12回×1セット
3:ペックフライorケーブルクロスオーバー 10〜12回×3セット DS 6〜10回×2回
4:ダンベルショルダープレス 6〜10回×3セット BS 8〜12回×1セット
5:ダンベルサイドレイズ 10〜15回×2セット DS 6〜10回×2回
6:EZバーライイングエクステンション 8〜12回×2セット BS 12〜15回×1セット
7:ダンベルフレンチプレス 8〜12回×2セット BS 12〜15回×1セット
2:ダンベルロウイング 6〜10回×3セット BS 8〜12回×1セット
3:リバースグリップラットプルダウン 10〜12回×3セット DS 6〜10回×2回
4:マシンリアレイズ 10〜12回×2セット DS 6〜10回×1回
5:ライイングリアレイズ 6〜10回×3セット BS 8〜12回×1セット
6:EZバーカールorバーベルカール 8〜12回×2セット BS 12〜15回×1セット
7:インクラインダンベルカール 8〜10回×3セット
2:45度レッグプレス 6〜10回×4セット BS 8〜12回×1セット
3:レッグエクステンション 10〜12回×4セット DS 6〜10回×2回
4:インナーサイ 10〜12回×4セット
5:スタンディングorシーテッドカーフレイズ 15〜20回×4セット
2:インクラインダンベルフライ 6〜10回×3セット BS 8〜12回×1セット
3:ケーブルクロスオーバー上部狙い 10〜12回×3セット DS 6〜10回×2回
4:アーノルドショルダープレス 6〜10回×3セット BS 8〜12回×1セット
5:インクラインサイドレイズ8〜10回×2セット BS 10〜12回×1セット
6:EZバーフレンチプレス 8〜12回×2セット BS 12〜15回×1セット
7:ローププレスダウン 8〜12回×2セット BS 12〜15回×1セット
2:マシンロウ(チェストサポートあり) 6〜10回×3セット BS 8〜12回×1セット RP×1回
3:ロープーリー 6〜10回×3セット BS 8〜12回×1セット
4:ダンベルリアレイズ 10〜12回×2セット DS 6〜10回×1回
5:マシンリアレイズ 10〜12回×3セット BS 12〜15回×1セット
6:インクラインダンベルカール 8〜10回×3セット
7:コンセントレーションカール 10〜12回×3セット
2:スミスブルガリアンスクワットorダンベルブルガリアンスクワット 8〜10回×4セット BS 10〜12回×1セット
3:スティフレッグデットリフト 6〜10回×4セット BS 8〜12回×1セット
4:シーテッドorライイングレッグカール 8〜10回×4セット
5:アウターサイ 10〜12回×3セット
6:スタンディングorシーテッドカーフレイズ 15〜20回×4セット
どれも1時間〜1時間半、インターバルを長くとって重量を落とさず鍛えた場合は2時間前後で終了する予想です。
STEP⑤フォームを何度もチェック&修正しながら自分の骨格に合わせて質を追求していく
フォームを何度もチェックして修正していく大切さ
フォームを修正していく手順
MASAKI
STEP③で紹介した各部位、各種目のトレーニングテクニックは、1度試しただけで完璧に習得することは非常に難しく、何度もフォームチェックを重ねながら自分の骨格に合わせてフォームを確立させていくことが大切です。
ご自分でフォームチェックを行う手順を紹介していきますが、最も確実に最も早くフォームを自分のものにできるのは、知識のあるトレーナーにアドバイスをもらう方法です。
フォームを何度もチェックして修正していく大切さ
きっとあなたも一度はこんな経験があるはずです。
1:YouTubeで紹介されていた種目を行ったけど上手くできているか分からない
2:効く日と効かない日があり、日によって筋肉痛になったりならなかったりする
3:使用重量や回数が安定して成長していかない
4:フォームがいつもバラバラ
5:狙っている部位よりも違う部位が疲労してしまう
これらの問題がもしあるなら、
必ずフォームチェックを行って修正していかなければなりません。
何をやるかには皆さん敏感に情報を集めていますが、実際問題身体を変える結果に繋がるのは何をやるかではなく”どうやるか”の部分なんです。
そして、どうやるかを極めるためには、各種目のテクニックを知ることはもちろんとして、「フォームを何度もチェックして修正していく」ことが大切です。
どれだけ運動神経が優れている人でも、いきなり完璧な動作を行える人は1人もいません。
テクニックを色々と知って、なんとなくやった気になることは誰にでもできますが、あなたの骨格や動きの癖を元に完璧なフォームを習得するにはフォームチェックが全てです。
フォームを修正していく手順
MASAKI
①フォームの動画を撮影して客観的に確認する
②感覚と照らし合わせて効果的なフォームができているか確認する
③フォームを修正し再度フィードバックを得る
①フォームの動画を撮影して客観的に確認する
フォームの修正には客観的に自分を見ることが大切です。
実際に動作しながら鏡を見て軽く修正することもできますが、いざ本番のセットで全力を出すと途端に悪いフォームに変わってしまう方が多いです。
なので、オススメは本番の全力のセットを動画で撮り、客観的に確認する方法になります。
初めて動画で確認すると、自分の頭の中でイメージした動きが全くできていないことにびっくりすると思います。
なるべく前後左右、様々な角度から頭の先から爪先まで映るように撮ってみてください。
撮影方法は、何もビデオカメラを用意して3脚を立てたり、撮影者がいなければならない訳ではありません。
スマホにAmazonなどで売っているマグネットホルダーを取り付けたり、スマホを横向きや縦向きで立たせて置くことができるカバーを取り付けることで1人でも簡単に撮影できます。
ジムにはマグネットでくっつけられる場所がたくさんあるので、インカメラで撮影すれば他の方にも迷惑にならず撮れるかと思います。
ジムで撮影が禁止されていない場合でも、他の方が映らないように注意してモラルのある行動をお願いします。
②感覚と照らし合わせて効果的なフォームができているか確認する
次に撮影できた動画を自分の効いている感覚と照らし合わせながら確認していきます。
なぜ客観的に見たフォームと感覚どちらも大事なのかというと、自分ではイメージしていたフォームでできていなかったとしても、効いている感覚があるということは、それで1つの正解と考えられるからです。
教科書的なフォームで行えていたとしても、あなたの骨格や動きの癖によって上手く刺激できていない場合があるんです。
なので、動画で自分のフォームを客観的に確認し、フォームも悪いし効いている感覚もイマイチという種目から優先的に修正していきましょう。
③フォームを修正し再度フィードバックを得る
フォームの改善を見つけたら修正して、再度トレーニングを行い、新たなフィードバックを得ます。
いきなり上手くできるようにはならないので、何度もフォームチェックを行いながら少しづつ修正していくことが大切です。
手首・頚反射・グリップ・握る強弱・胸椎・股関節・骨盤・足幅などなど
何度も細かい部分まで確認して、1つ1つの種目を極める意識で取り組んでいきましょう!
ご自分でフォームの修正点が分からない場合は、以下から【オーダーメイド&フォーム指導付きプラン】にご変更くださいませ。
最後に…
こちらで5STEPトレーニングプランは以上となります。
過去5STEPトレーニングプログラムとして有料で販売した内容のハンディ版です。全部位の解説を含む「完全版」は「体型を自由自在にコントロールする知識と実践力を身につける しークレッツオンラインセミナー」参加者特典として無料配布しています。
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※セミナーに参加しないと完全版は受け取れません。
by:筋トレ1年目の教科書代表マサキ